金融税制研究会 論点整理 - 決算対策・税金対策 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
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金融税制研究会 論点整理

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税制改正 平成23年度税制改正

金融庁は29日、金融税制研究会での議論を、論点整理として公表した。

http://www.fsa.go.jp/singi/zeiseikenkyu/rontenseiri.pdf

 

証券税制では、政策面から、軽減税率を維持すべきか、廃止すべきか、

が中心であったようだが、「預貯金への偏りが顕著な日本の金融資産構造を

変化させる観点から、軽減税率の維持は重要」といった意見がある中、

「仮に軽減税率の維持が困難であり、本則課税に戻るのであれば、同時に

損益通算の範囲拡大を併せて行うべき」であったり、「財政との関係上

大幅に減税できない中では、リスクマネーに資金が流れるようにする

ためには、軽減税率をやめて損益通算の範囲を拡大すべき」といった意見も

出ていることには注目したいところだ。

 

また、「配当の二重課税調整について」は、「株式調達と負債調達の間に

歪みを生じさせる税制は避けるべき」との意見もある中、

「配当二重課税を調整するために税制を複雑にすることによるデメリットも

考慮し、完全な調整にこだわらないほうがよい」という反論や、

配当二重課税について「完全に調整を行うためには、法人税を全部撤廃

しなければならないため、完全な調整は実施困難」という意見も併記された。

 

金融所得一体課税では、損益通算の範囲拡大について、範囲拡大の方向性を

見て取れる一方、「一般投資家は、損益通算よりも軽減税率に投資の

インセンティブを感じている」との意見や、「金融商品間で税率が異なる場合、

損益通算の範囲を拡大することは困難」ではないかとの問題提起もでている。

それゆえ、制度面からの意見にある「所得分類のあり方そのものについても

本来議論すべき」との意見が出てくるのではなかろうか。

 

そもそも分類所得税にしたがって、あらゆる所得をすべて一つの所得に

強引に当てはめなければならないところに無理を生じさせているように

思いますね。一連のストックオプション事件なんかはその典型ですね。

 

また、損失の繰越控除について、期間の伸長の方向性が見て取れる。

この点、制度面から「繰戻還付制度についても、・・・検討課題とすべき」

という意見や、実務面から「繰越期間の伸長を行うことは重要であるが、

その際には、証拠書類の保存期間をそれに応じて長くする必要がある」

との意見が出ていることには注意が必要です。土地不動産の譲渡原価に

ついて証拠書類の添付が要求されているところと一緒なんですね。

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