まいど！ｼｭﾘﾝｸ包装屋さんの『最幸』な言葉(48)

私たちが教科書で学んだり、テレビドラマで見たりする、
幕末の志士たちは、もうすでに、それだけで「ブランド人」である。

しかし、その当時の感覚でみてみると、全くちがったものが見えてくるはずである。

吉田松陰は犯罪者だし、坂本竜馬もフリーターにしか過ぎない。

そんな彼らが、公家や大名、海外のビジネスエリート達と

堂々と渡り合い、意見を交換し、交渉をしていたのである。

歴史を学ぶとき、大切なのは。
現在の感覚で、評価するのではなく、
当時の時代感覚を、疑似体験する想像力を持つことである。

日本は、アジアで唯一、近代化に成功した。

それは、非キリスト教かつ非白人国家で、唯一の近代化を意味していている。

その意義は、グローバル化の進んだ現在、ますます偉大なものとなっている。

当時の欧米列強の間では、「非白人、非キリスト教徒は人に非ず」という時代だった。

アメリカ・オーストラリア等の反対により、
第一次大戦後、日本が提出した「人種差別撤廃法案」が採択されなかったことを見れば、
白人国家が非白人に人権を認めていなかったことがよくわかる。

そのような、非白人の人権などなきに等しい時代に
日本がどうして近代化に成功し、白人国家と対等に伍していけたのか？

それは、識字率が高いなどの知的レベルの高さなどもあるだろうが、
何よりも、
「そのプラス思考にあった！」というのは納得である。

勘違いしている人も多いのだが、黒船は太平洋を渡ってきたわけではない。

理由は、

太平洋を無寄港で横断できるほど、当時の航海技術は進んでいなかった

ということだろう。

黒船は、大西洋から、アフリカを通って東アジア諸国を植民地にしながら、
東の果て、極東の日本にたどり着いたのである。

黒船はそんな短期間に、東アジア諸国をどのようにして植民地にしてきたのか？

それは、黒船の中身を見せたのである。

巨大な蒸気機関をみた人たちは、蒸気機関の迫力に圧倒され、恐れおののき

「こんな国と戦っても絶対に勝てない」。一瞬で悟るのだ。

アメリカ人は当然日本も同じになると思っていた。

日本も同じように、幕府の役人が、
黒船に案内され、蒸気機関をみせられた。

しかし、そこからが違ったのだ。

普通は、「これは勝てない」と、シュンとしてしまうところを、
幕府の役人は何をしたか？

アメリカ人を質問攻めにしたのだ。

「これは何だ？」
「どうやって動いているんだ？」
「蒸気って何だ？」
「何を燃やしているんだ？」
「石炭って何だ？」
「日本でも取れるのか？」

そして、一心不乱に蒸気機関のスケッチを取ったのだ。

このプラス思考と、それを支えるインテリジェンス
これこそが、日本人の最大の特長であり、それが近代化を成し遂げる原動力になったのだ。

日本人が世界で最も優秀な民族だなどということを言うつもりはない。

しかし、私たちは私たちの祖先について、それと彼らが営み築いてきた文化や歴史について、
もっと誇りを持っていいのではないだろうか。