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市原 真二郎
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閲覧数順 2024年04月22日更新

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気持ちイイ汗をかいて夏バテから身を守る秘策とは・・?(3)

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  1. 心と体・医療健康
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  3. 疲れやすさ

(続き)・・それでは我々現代人は、なぜ体温が低くなってしまったのでしょうか。またなぜ汗をかけなくなってしまったのでしょうか。その答えを探す前に、人間の体温はなぜ36.5℃なのか、人間にはなぜ汗が必要なのかを考えてみる必要がありそうです。そもそも人間にとって体温とは何か、そして汗とは何なのでしょうか。

 

人間が生きていくためにはエネルギーが必要ですが、それを得るためには食べたものを消化・吸収し、栄養素を分解し合成しなければなりません。そのような仕組みを「代謝」といいます。ただし食べたものが全てエネルギーになる訳ではありません。少なくとも半分は「熱」となって放散されます。我々が食事をした後や歩いている時に暑く感じたり汗をかくのはそのためです。ちょうど自動車のエンジンが熱くなるのと原理は同じです。

 

その代謝反応には多数の酵素が触媒として関与していますが、その酵素が一番効率よく働く温度は概ね36~40℃の範囲とされています。もし体温が36℃を超えて上がっていけば、酵素の活性が向上して代謝が活発になるという好循環に入りますが、それにも限度があります。多くの酵素は45℃を超えると次々と失活し、働かなくなってしまいます。従ってある程度体温が上がってきたら、今度は体温を上げないための歯止めも必要になるのです。

 

実際に人間の体温は36.5℃付近で一定であり、たとえひどい風邪をひいて熱を出しても40℃を超えることは滅多にありません。反対にどんなに寒い環境に身をおいても体温が34℃を下回ることも決してないのです。その範囲を超えて体温が変動することは原則としてあり得ず、それはそのまま生命の危機を意味しています。人間が「恒温動物」と言われている由縁です。

 

それではその体温をほぼ一定に調節しているのは、いったいどのような仕組みによるのでしょうか。体温を調節する仕組みには、対外への放射と伝道対流とがありますが、もっとも効率がよく影響の大きいのは発汗による蒸散です。汗が蒸発するときに皮膚から「気化熱」を奪っていくのです。夏の暑い日に打ち水をして涼をとるのと同じです。犬が暑い時に舌を出してハーハーしているのも原理的には一緒です。つまり発汗は人間にとっての急速冷却装置なのです。

 

動物の体温は種によって異なり、人間は36.5℃と決まっています。これは哺乳類の中では比較的低めの体温設定です。それではなぜ「36.5℃」なのでしょうか。それは人間が高度に発達した「脳」を持っているからです。人間は脳を顕著に発達させて言葉や道具、移動手段、武器など文明の利器を生み出し、生き延び発展してきました。いわば人間が人間たる由縁は脳にある、といって過言ではないのです。

 

脳というのは高性能のコンピューターと同じで、熱に弱いという性質があります。熱くなるとすぐにオーバーヒートしてしまいます。しかも人体で最もエネルギーを使い、多量の熱を産生する場所でもあります。従って脳を常にベストの状態に保つためには脳の「冷却装置」が必要となります。その役割を果たしているのが実は「汗腺」なのです。実際に人間の汗腺はあらゆる動物の中で最も発達しており、人間ほど汗かきな動物はいません・・(続く)

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