火鉢
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2010-01-15 17:26
火鉢も3シーズン目に突入。
勘が鈍っていて、どうもウマく火が持続しなかった。
炭の気持ちがわからなくなっていた、ということだろう
火は、人が燃やすものではなく、燃える条件が揃ったときにだけ燃える。
条件からズレればすぐ消える、虹とか奇跡みたいなものなのだ。
人はそのまわりを、炭が燃えたいように、炭の気持ちに耳を澄ませ、世話を焼くだけ。でも焼きすぎてもいけない。
時に消えゆく火は、人がどれだけ手厚く介抱しようとも、まるであっさり消えていく。
"ふ菓子"のようなナラ炭・カシ炭と比べると、備長炭はまるで鉱石のよう。
叩けばキンキンという音がするほど硬く、うまく燃やし続けるのは本当に難しい。
今どき火鉢なんて・・・。
灰が舞って家中が埃っぽくなるし、爪は黒くなるし、換気はマメにしなきゃいけないし、裸火は危ないし、
しかも毎回ウマく燃えてくれるとはかぎらない。
めんどくさいですよ、実際。
でも火も扱えない退化した文明人のままじゃマズいと思うし、
ウマく燃えてくれたときはそりゃぁ本当にいいものなのです。
炭どうしが互いに呼応して脈打つようにあかあかと燃えているのを見ているときの放心、
そして直接ハートに響いてくるようなそのあったかさ。
あぁ、やっぱり備長炭がいいよねぇ、やめらんないねぇ。
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このコラムの執筆専門家
- 須永 豪
- (長野県 / 建築家)
- 須永豪・サバイバルデザイン
響きあう木の空間
森や山と人、地球が健全に回っていく様子を見届けたい。 木を街に届け人の営みに森をもたらし木が、森が、地球が、生命が、人が、そして星々や宇宙までもが響あいはじめるそんな木の建築空間宇宙の意図が起動する響きあう木の空間をつくろう