「東京島」(桐野夏生/新潮社)
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2009-08-07 17:00
東電OL殺人事件を題材にした「グロテスク」(桐野夏生/文藝春秋)を読んだ衝撃が大きかったので、
少々拍子抜け。
「グロテスク」は実在の事件があったせいか日本人のリアリティーを感じられたんだけど、
こちらは無人島という何でもありの条件設定のせいか、都合良く感じられる。
登場人物の思考を説明するくだりが多いのだけど、
みんな理性的すぎるのが気になってしまって、感情移入できない。
ただし、人間がすぐに自分の都合の良いように物事を対象化していく様は楽しめる。
次は都築響一の写真集「HAPPY VICTIMS 着倒れ方丈記」(青幻社)を見る予定。