米国判例紹介:Bilski最高裁判決(第6回) - 特許 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国判例紹介:Bilski最高裁判決(第6回)

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米国特許判例紹介:Bilski最高裁判決(第6回)

      〜ビジネス方法発明の特許性〜 
   河野特許事務所 2010年7月1日 執筆者:弁理士  河野 英仁

                

         Bernard L. Bilski, et al.,

                                 Petitioners,

                v. 

            David J. Kappos,

5.結論

 最高裁は、申立人に係る方法発明は、特許法第101条に規定する「方法」に該当しないとしたCAFCの判断を支持した。その一方で、機械・変換テストが保護適格性を判断する上での唯一の基準としたCAFCの判決を否定し、さらに新たな判断基準を明確化することをも否定した。

6.コメント

 最高裁は、出願に係る発明が、特許法第101条に規定する方法発明に該当するか否かの判断基準を具体的に判示しなかった。現段階では、如何なるビジネス関連発明が保護適格性を有するかは不明な状態にあり、今後も同様の争いが起こる可能性がある。 

 その一方で、ビジネス方法発明は、明確に米国特許法の保護対象に該当すると判示し、さらに、CAFCが確立した機械・変換テストも唯一ではないが、依然として有効なツールであることも判示した。 

 実務上は、機械・変換テストが依然として有効と確認されたことから、当面は機械・変換テスト*26に沿った形で権利化処理を行えば特に問題はない。また、判決後、USPTOは本判決に沿ったガイドラインを発行すると述べた*27。ガイドライン発行後は、このガイドラインに従った対応をとることが必要とされる。ガイドラインの内容は追って報告する予定である。 

判決 2010年6月28日

以上 

 

(第7回に続く)  

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