閉ざしつつ空へ開く - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

村上 春奈
村上建築設計室 
東京都
建築家

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対象:住宅設計・構造

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閉ざしつつ空へ開く

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casa della casa
都心の昔ながらの住宅地の路地の奥に建つ、編集者のための住宅です。

建物は敷地面積30坪の旗竿状の敷地に建つ鉄骨造3階建て。周囲は、幅員4m未満の道路がくねくねと続き、古い木造家屋や商店、オフィスビルなどさまざまな建物が所狭しと建ち並ぶ雑多な環境です。窓を開けるとすぐにお隣さんとコンニチハしてしまうような敷地環境であることから、「プラシバシーを確保しながら、いかに明るく広がりのある空間とするか」が最大のテーマでした。

そこで、視線の先に"抜け"をつくって行き止まりを見せないようなプランとし、トップライトや階段室の下から上まで続く光壁、外壁を外側にずらして周囲の視線を遮りつつ空が見え光もさし込むようにするなどの工夫をしました。
それにより、混み入った立地にありながら明るく開放的な室内空間となりました。

また、素材の自然な質感を活かしながら家全体の調和を図り、無駄な凹凸を無くすよう細部の納まりに配慮することで、シンプルかつモダンでありながら広がりを感じさせ、心地よい緊張感を醸し出す空間に仕上がりました。

casa della casaのために特別に設計した壁に埋め込まれたシンプルな暖炉は、寡黙に炎を灯しています。(なお、「炎のDNA 癒し・対話・鼓舞」(発行:ガスエネルギー新聞、編集:岡田聰(スィンク)・日経BP企画)で紹介されていますので、暖炉にご興味のある方はぜひご覧ください。なかなか面白い本です!)

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