私は、マンション業界での数度の転職や自宅マンションの理事会役員経験を通じてマンションを様々な角度から学んできた結果、ビジネスの観点で見えてきたことが3つあります。
1)各業界で供給者と消費者とのギャップ(チャンス)がある
私には、開発業(デベロッパー)には「マンション購入者の視点」が、管理業には「そこで日々生活する人たちの視点」が、仲介業には「マンションを 売りたい・買いたい人たちの視点」が、それぞれ少しずつ欠落しているように思えますし、お客様とのやり取りのなかでそう感じさせる場面を数多く見てきました。
この欠落している部分、つまりお客様の視点を把握し、供給者の論理とお客様のニーズやウォンツとのギャップを埋めるサービスが、現場にはゴロゴロと転がっています。
マンションを両者の視点で見る目が養われたため、供給者側でありつつもお客様目線でサービスを考案できるようになりました。頭の中には様々なサービス構想が浮かんでいます。
2)「近いのに遠い」業界間のギャップ(隙間)にビジネスチャンス眠っている
マンション周辺業界の特徴として、関係する事業であっても、デベロッパー(開発業)とゼネコン(建設業)、管理業、仲介業はそのビジョンや体質が全く異なるため、それぞれが(例え同じグループ企業であっても)ほとんど連携していないことが挙げられます。
例えば、仲介業と管理業とは体質的に「水と油」です。
少しオーバーに表現すると、仲介業者は管理業を「小銭を稼ぎ定時に仕事をきっちり止める保守的な業界」と小馬鹿にし、管理業者は仲介業を「マンションの現場を知らず口先だけのとっぽい商売」と恐れているところがあります。
そのような両者がマンションという土俵で自発的にコラボすることはほとんどありません。
この両者のギャップ(隙間)を埋めるビジネスを作り出すチャンスが眠っています。
3)業界とお客様との時代のギャップ(新しいビジネス)が広がっている
不動産にかかわる業界は総じてコンサバティブ(保守的)であり、時代の変化をいつも後追いしている感があります。
バブルが弾け土地神話が崩壊した今でも、1件あたりの取引額が大きい(開発業、建設業、仲介業)ことや、マンション自体がなくならない限り定額収入が入る(管理業)こともあり、新しいことに挑戦する機運やスピードがありません。
逆を言うと「実績主義」「クレジット(信用)」「業界経験」「義理人情」という、ベンチャー精神が入り込みにくい大きな壁がある業界ともいえます。
しかしお客様は業者の論理とは関係なく常に良いものを求めており、そのニーズやウォンツはますます細分化・高度化しています。
ここにも大きなビジネスチャンス(可能性)が広がっています。
これら3つのギャップを埋めることでこの業界にはまだまだビジネスチャンスが埋もれている、と私は確信しています。
お客様に評価頂けるようなアイデアを具現化する機会がいま巡ってきています。
度重なる転職を通じ業界を多角度から見聞したり、消費者として業界を眺めてきた日々の積み重ねが今の私の最大の武器であり、新たなアイデアを考案しトライするバックボーンとなっています。今後頭の中にある構想を少しずつ形にしていきますので、是非ご期待下さい。