マネープランにおけるリスクの考え方 - ライフプラン・生涯設計 - 専門家プロファイル

巻口 成憲
リズム株式会社 専務取締役
東京都
不動産投資アドバイザー

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閲覧数順 2024年04月19日更新

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マネープランにおけるリスクの考え方

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皆様はじめまして、リヴァックス株式会社の巻口と申します。

不動産投資アドバイザーの立場から、ライフプランや金融商品、投資理論の話題

など、資産形成に関する幅広い内容のコラムをお伝えしていきたいと考えております。

今後ともよろしくお願いいたします。

 

さて第一回目のコラムの内容ですが、投資の「リスク」についてお話したいとおもい

ます。

 

一般に投資商品を評価する場合、リスクとリターンの2軸で評価をおこないます。

リターンに関してはほぼ皆さん同じ認識をお持ちですが、リスクに関しては多様な

捉え方が可能です。

商品のステージや個人の投資方針によってその「リスク」そのものの定義が異な

るからです。

そこを区別せずにリスクの一言でまとめてしまうと、取るべきリスクの選択を誤る

結果になります。

経済学的にリスクは「変動に関する不確実性」をさしますが、投資場面では価格

下落リスクや流動性リスクなどをさすことが一般的でしょう。

中でも流動性リスクは投資における最大リスクだといわれることも多く、投資資産

を選定する場合に

最重視される傾向があります。

わかりやすく言えば、流動性とは「売りたいときに売れる」ということ。

つまり売りたいときに売れないものは困るので、まずはそれを考えましょう

ということです。

 

一見すると正しいことを言っているようですが、流動性を最重視する考えは、投資

理論上は正しい考え方でも、個人投資の方針としては間違いです。

個人投資方針におけるリスクとはその個人の投資目的に応じて定義が変わる

 からです。

一般に紹介されている投資理論は個人の投資目的まではその研究対象に含まれ

ていません。

 

いざというときの備えの資金であれば流動性が高いことが重要ですが、長期的に

キャッシュフローを確保して生活基盤の助けとしたいという目的の場合は投資商品

の流動性が高い必要はありません。

目的と手段がごちゃまぜになってしまっては安定したマネープランを構築すること

はできません。

「キャッシュフローを長期に確保する目的だったが、いざというときにお金にかえら

れないとこまるから、流動性を確保して長期間損をしないであろう国債に投資する。」

などというのは、明らかに目的が手段によって変わってしまった例です。

 

流動性と(価格)安定性はある意味トレードオフの関係にあります。

 

いつでも取引が成立するということにより、その分価格の変動する可能性が高くなる

からです。

流動性の高い商品、株や信託や為替などはいずれも取引価格の変化が著しい商品

といえます。

そしてその変化の激しい取引価格を主なリターンとしています。

流動性を重視して投資したがために、価格が下落してしまい処分もできなくなるという

シチュエーションはこれまで多くの方々が経験されてきたことです。

一方で流動性が低い資産はその流動性の低さから安定した値動きをする性質を

もっています。

現物の不動産資産はその典型的な資産です。特にレジデンシャル物件は生活実需

にその基盤があり

ますからキャッシュフローは安定しています。バブル時の教訓を活かして不動産資産

の価格はキャッシュフローに根拠をもとめるようになり、価格のアップサイド変化は意

識されないようになりました。

主要なリターンは取引価格ではなくキャッシュフローになったということです。

一部証券化の流れによって売却価格を無理にアップサイドにしようとする潮目もありま

したが、新築物件の価格の高騰と売上低迷という結果につながり、不動産流通市場全

体への価格変動面での影響は軽微にとどまりました。

 

いずれにせよ投資商品ありきで選択するのではなく、まずは投資の目的を明確にする

ことで、取りうるリスクを明らかにすることが重要です。

流動性リスクなのか価格下落リスクなのか・・・

目的に応じたリスクを選択することが成功する投資への近道です。

 

次回はどのように投資目的を整理していくのかの方法についてお話します。

 

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