ところがその沖縄も含めて我々日本人が、本当の意味で健康と長寿を謳歌しているのかとなれば、俄かには肯定し得ないのが現実ではないでしょうか。長寿というのはあくまでこの世に生存している年数が長いというに過ぎず、その間の時間全てが必ずしも健康で幸せであるとは限らないのです。
日本中を旅していて驚くことの一つに、病院や医院の数が余りにも多い、ということがあります。東京などの都市部だけでなく地方の山間地に至るまで本当に多数の病院があり、しかも概ね多くの患者で溢れているのです。こういう医療施設の整備と繁盛が長寿の秘訣の一つだというのでしょうか。
また病院だけでなく、街のドラッグストアでは医薬品やサプリメントの類が所狭しと並んでいて、しかも飛ぶように売れているのです。テレビコマーシャルや電車の車内広告などで薬の宣伝を見ない日はないほどです。薬の売上げは米国をも上回り、まさに世界一の「薬大国」といえるのです。
さて、そのように病院も薬も大変普及している日本ですが、世界一の長寿国にふさわしい健康状態を国民が果たして享受しているのでしょうか。その答えは、多くの国民にとって「No」であろうと思われます。もしそうだとすると「長寿なのに健康ではない」ということになりますが、それは一体どういう事なのでしょうか。
一口に長寿と言いますが、その中身を分析してみると、平均して死亡する直前の7年間は「闘病生活」を送っているという統計があります。それに従って平均的な話をするならば、男性ですと71歳から、女性ですと78歳から闘病生活に入ることを意味します。つまりいわゆる「健康寿命」は、名目上の寿命から7を引いた年齢まで短縮してしまうのです。
その闘病生活とは具体的には、多くが高血圧、糖尿病、脳卒中、心臓病、がんなどの「生活習慣病」に罹患し、通院生活もしくは入院生活を送っているのが現状です。また何割かの人は住み慣れた自宅を離れ、老健施設などでの入所生活を余儀なくされているのです。
老健施設に行くとよく分かりますが、多くの施設では入所希望のご老人が殺到していて順番待ちとなっています。そして一度入所したが最後、多くの場合はその方が亡くなるまで何年でもそこで生活を続けることになります。しかも自宅ではないために、必ずしも快適で自由な生活とは言えません・・(続く)
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このコラムの執筆専門家
- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
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