各々の家に対し断熱性能の指針となる熱損失係数(Q値)、日射取得量の指針となる夏期日射取得係数(μ値)、気密性の指針となる相当隙間面積(C値)をチェックする事により、次世代基準値を満たそうとするものです。
Q値(kcal/?・h・℃)
屋内外に1℃の温度差がある時、1時間に建物の延床面積1?当たりに出入りする熱量のこと。
これを基礎・外壁・屋根・開口部の全てについて計算し、総和を表面積で割った値がQ値となります。
一概に関西地方では、2.7以下が次世代省エネ基準の指標とされています。
μ値
建物内に侵入する総日射量の平均値を、建物がない場合の値との比率で示したもので、値が少ない程夏涼しい家となります。関西地方では0.07以下が次世代省エネ基準の指標となっています。
C値(c?/?)
建物の表面積にある隙間の総量を床面積で除した数値で、これも低い程隙間の無い家といえます。
関西地方では、5.0c?/?以下が次世代省エネ基準の指標となっています。
これだけの事を確認できれば、マニュアルにこだわることなく、自由な材料・施工方法を用いる事が可能になります。
Q値・μ値は計算で根拠を確認しますが、C値は実測で結果を検証します。
個々の家の条件に従って設計するわけですから、施工の簡略化が図れローコストになります。欠点は熱損失計算等の設計が面倒で、施工にもマニュアルが無い為、監理がしっかりしていないと、所期の性能を得られない事です。
しかし、逆に云えば、監理者さえしっかりしていれば、気密住宅に精通していない職人さんでも、簡単に施工出来てお財布に優しい住宅になります。
このコラムの執筆専門家

- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
06-6714-6693
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