礼金ゼロと更新料の関係 - 不動産投資・物件管理全般 - 専門家プロファイル

中村 嘉宏
株式会社イー・エム・ピー 代表取締役
東京都
宅地建物取引主任者

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対象:不動産投資・物件管理

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礼金ゼロと更新料の関係

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賃貸経営…大家さんになったら…
・・・2010年2月5日 EMPメルマガより・・・


今朝の日経社会面には
「けじめをつける」と引退を発表した朝青龍と、
「けじめがついた」と続投を表明した小沢民主党幹事長の記事が
両開きで載っていました。

決断の背景にはいろいろあるようですが、
身の処し方というものを考えさせられます。

小沢氏が師事したのが田中角栄氏。

田中氏が首相になって看板政策として掲げたのが
『日本列島改造論』です。

政治の役割に「冨の再配分」があります。

持てる者から持たざるものへ。

ある種の社会主義的政策ですが、
これをやれるのは
政治であり国家しかありません。

田中角栄は『日本列島改造論』によって、
都市に偏りすぎた富を地方に分配する仕組みを
作ろうとしました。

利権を生む構造や土地高騰など
副作用はありましたが、
地方の発展と活性化という効用は十分あったと評価できます。

反対に、小泉首相は
新自由主義経済という名の下、
市場にすべてをゆだねる政策をとりました。

市場すべてをゆだねるというのは、
要は「何もやらないこと」。

すべてを成り行きに任せればよいので、
政策としては簡単で
政治家は頭を使わなくていい。

規制を緩和するということは、
極端な話、なんでも「やめればいい」ということですから、
政治家としての使命・仕事を放棄したともいえます。

それが、
これだけ都市と地方の格差が広がった
原因とも言われています。



先月29日に総務省が発表した
09年の人口移動報告によると、
47都道府県中37道府県で人口の流出があります。

減り続ける地方人口が
地域経済へどのような影響を与えるのか。

これがますます
地方経済の衰退へつながるとすれば、
地方自治体にとっては頭の痛い問題です。


報告によると
首都圏への人口流入も大きく減っています。
流入減は
賃貸市場にとっても影響は小さくありません。

1月30日付日経新聞の首都圏版では、
人口流入減の影響で
敷金・礼金の減額が広がっているという記事が載っていました。

人口流入減が原因というより、
その背景にある景気と雇用の悪化が直接の原因ですが、
敷金・礼金が減っているのは事実です。

とにかく初期費用を抑えたい
という意向の入居者が多い。

ネクストの調査では
首都圏の礼金の平均は0.77ヶ月(12月度)(同新聞より)。

賃貸募集が厳しい物件では
礼金を取っていないものも多くなっています。


しかし、ここで気をつけなければならないのは、
礼金を0にした場合、
更新料は取れるのかということ。

更新料を有効とした
昨年の10月の大阪地裁の判決でも、

「礼金4ヶ月で更新料2か月分だからOK。
 更新料4ヶ月分なら
 借地借家法28条の趣旨を無視することになる」
としています。

「すでに権利が守られているものの対価としての更新料が、
 新規の賃借権の設定対価である
 礼金と同じだとするにはおかしい。」
という論理です。

「更新料有効」とした10月の大阪地裁の判決は、
全面的に更新料を認めたわけではありません。

この判決に則して考えると、
『礼金0で更新料がある契約』というのは、
将来更新料の支払いを拒絶される可能性もあるので
注意を要するということです。


       株式会社イー・エム・ピー
       代表取締役 中村嘉宏:談




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