5. 再編プロセス
それではA社はこの「会社分割」をどのように使って事業再生を図っていくか・・・?
まず、X店再生プロジェクトの責任者を社内より公募します。 もちろん外部からの調達も考えられるところですが、今回はA社オーナーの意向と埋もれた優秀な人材の発掘と活用そして経営者育成をテーマに内部人材を候補とします。 そして選定された候補者に同プロジェクトの趣旨、充分な説明と理解・同意を得たうえ新会社Yを設立しその責任者を同店のオーナー(兼会社代表者)とし同事業の経営権を委譲します。 つまりX店をA社より切り離しグループ会社化するという構想です。
分割以降は店舗運営についてのいっさいの責任を新店オーナーとなるBが果たし、新会社Yは親会社Aに 株式 を割当てグループ会社となる ''(新設物的)会社分割'' を実行します。 ビジネスの主体性を新会社代表者であるBに一任しつつ、親会社Xが今度は出資者 ''株主'' として一定のキャスティングボードを握る構図をつくります。 結果A社とX店およびその従業員との(支配)関係が分割前と分割後では以下のとおり
【分割前】 使用者 ⇔ 従業員 → 【分割後】 株主 ⇔ 会社
と劇的に変わることになります。
分割にあたっては登記など各種の法律上の手続きが必要ですが、手続き上のポイントは主に以下4点に集約されると思います。
(1) 株主の理解取得 [ 株主総会の承認 ]
(2) 移転する権利・義務(資産・負債)の整理 [ 分割計画書 ]
(3) 会社 対 第三者 の利害調整 [ 債権者保護手続き ]
(4) 会社(A社) 対 会社(Y社) の権利義務調整 [ 株式の割当て/株式設計等 ]
(次回に続く)
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