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〜実用新型特許権の有効活用〜(第2回)
河野特許事務所 2009年2月3日 執筆者:弁理士 河野 英仁
泉株式会社(日本)
原告-被上訴人
v.
広州美視有限公司等
被告-上訴人
2.背景
日本の泉株式会社(以下、原告という)はプロジェクタ用の可搬式スクリーン装置に関するCN2729763(以下、763特許という)実用新型特許権を所有している。原告は日本における特許出願(特願2003-372909)を基礎として、2004年4月中国に実用新型特許出願を行った。出願番号はZL200420042456.6であり、2005年9月28日に登録された。
原告は、広州美視有限公司(以下、被告Aという)が製造するプロジェクタ用の可搬式スクリーン装置(以下、イ号装置)が、北京において仁和世紀科技有限公司(以下、被告Bという)により販売されていることを発見した。参考図1は被告Aの商品紹介HPである。
参考図1 被告Aの商品紹介HP(http://www.grandview.com.cn/) 2010年1月11日
2006年7月25日原告は被告Bからイ号製品(商品名:WM-S80)を公証人の立ち会いの下、1250元で購入した。原告は両被告が原告の実用新型特許の請求項5及び12を侵害するとして北京市第一中級人民法院へ提訴した。
763特許の請求項5は独立請求項3に従属する従属請求項4の従属請求項である。また請求項12は、独立請求項7に従属する従属請求項11の従属請求項である。請求項の内容は以下に示すとおりである。参考図2乃至4は763特許の図1〜図3である。なお、筆者において図面の番号を請求項中に付した。
本発明のポイントは以下のとおりである。スクリーン4をケーシング1へ収納する際、トップバー5はケーシング1上部で蓋として機能し、さらにケーシング1上でロックされる。また支柱6Aは下方へスライドし、横方向へ倒すことでケーシング1に固定される。これにより、持ち運びが容易になるというものである。
(第3回へ続く)
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