- 釜口 博
- BYSプランニング ファイナンシャルプランナー
- ファイナンシャルプランナー
対象:保険設計・保険見直し
今回のコラムは、相続争い事例の第二弾
「生前贈与」にまつわる相続争いの例を検証してみます。
『父はなくなる前の5年間寝たきりで、母も病気がちだったので、父の介護をすることになる。父からの援助があり、二世帯住宅を買って両親と同居(長女が所有者)。相続財産は、父の預貯金3000万円。それ以外に生命保険金が1500万円(受取人は母)。相続人は母、長男、私(長女)』
この事例で、
長男の言い分:二世帯住宅を父からの援助で買ったもらったのだから、その分は遺産分割された財産から差し引いて考えるのが妥当。
妹が生前に父から援助してもらったお金と現状の相続財産である預貯金を合算して、それを平等に按分して分けるべきであると主張。
私(長女)の言い分:両親の面倒を見ることが前提だったので、「特別受益」とは言えず、逆に父の介護をしたのだから、その分を考慮して財産分けをして欲しい。
兄は両親の面倒をまったく見ようとせず、どれだけ介護が大変かも理解できていない。
特別受益・・・婚姻、養子縁組のため、若しくは生計の資本としてなされた多額の贈与や遺贈のこと。
生計の資本・・・子へ居住用不動産を贈与したお金や事業資金を援助したお金などのことを指す。
ここでのポイントは、どのような生前贈与が「特別受益」に該当するのかの判断が非常に難しいということ。
だからこそ、相続争いに発展しやすいわけです。
上記例の場合の対策としては、父親が生前に遺言を書いておくことがベターだと思います。
「生前に長女に援助した住宅資金については、老後安心した生活をするために必要だと考えたので、長女への贈与ではない。
生命保険金は妻が受取り、預貯金は兄弟で按分すること」という風に書いておけば、相続争いにならずに済む可能性が高くなります。
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