それは、マンションだけに止まらず一般住宅にで及んでいます。現在の殆どの建築士の発想は、自分達の仕事の根拠になる建築基準法に対し順法であれば、責務を果したと考えています。ある意味当然なことです。
しかし、今回の故意による偽装や、過失による、計算間違いがあった場合、基準法に満足しているだけでは、たちどころに適法かどうか怪しくなるのも事実です。
また建築基準法自身が、この法律を満たしていれば、どの様な災害にも耐え得る事を証明しているものではありません。法律通りに建てて、これでも倒壊するならば施工者に責任が及ばない、程度の基準です。
建築基準法の構造基準は、過去に日本で発生した災害の最も酷いものを根拠にして成り立っています。地震であれば関東大震災、台風であれば伊勢湾台風が法律の根拠です。但し、日本全国で同じ法律を当てはめる為(地域によって係数の変化はありますが、根拠は同じです)その土地で果たして本当にこれで
満足かは不明のままです。
過去の経験を基に予想しうる外力を可能な限り想定しながら、法律以上の耐震性・耐風性を持たせようと考えるのが本来の建築士の姿勢だと考えます。
今回は、建築基準法と住宅性能表示制度の比較をしながらどうすれば、バランス良く堅牢な建物が造れるかを、検討して行きたいと考えています。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
06-6714-6693
「●建物の安全性を求めて」のコラム
地震お見舞い申し上げます(2008/06/14 12:06)
奥行きのある家は風圧力で壁量が決まります。(2007/07/13 19:07)
より安全に住まうために(2007/06/17 13:06)
水平構面の重要性(2007/06/15 12:06)
耐力壁に対する建築基準法と住宅性能表示制度の違い(2007/06/13 20:06)