- 釜口 博
- BYSプランニング ファイナンシャルプランナー
- ファイナンシャルプランナー
対象:保険設計・保険見直し
今回のコラムは「財産を残したい人に残せない」(介護編)でお話させていただきます。
「思わぬお金を手にできるのは、宝くじと相続だけ」
団塊世代の親から受け取る平均遺産額は、一人約1900万円になると言われています。
退職金の平均額が約1000万円。
退職金よりも多い遺産額1900万円を目の前にして、「一銭もいらないです」と誰も言えませんよね。
だからこそ、各個人の人間性もでますし、争いも起こるのです。
今回の相続争い事例は、「介護」にまつわるものです。
『Aさんは長男の嫁として夫の両親と同居していたが、夫が事故で死亡。
義理の両親とは仲がよかったので、そのまま同居し義理の両親もそれを望んでいた。そして結局、義理の両親の介護も献身的に行った。しかし、その両親ともが亡くなった時、別居の長女に実家から出て行ってほしいと言われた。』
Aさんには子供がおらず、どんなに親身になって介護をしたとしても、法定相続人ではない身分なので、義理の両親の遺産である実家をもらう権利はありません。
もし遺言で、両親が「面倒を見てくれた長男の嫁にこの家を相続させる」と書いたとしても、長女には「遺留分」という権利があるので、結局は遺産の半分は相続することができるため、実家が共有になり更なるトラブルのもとになる可能性があります。
まして、相続人以外が相続した場合には、税法上非常に不利になる。
☆ 遺留分・・・相続財産のうち、一定の相続人には残しておかなければならない財産部分があります。これを「遺留分」という。
遺留分の権利があるのは、子、直系尊属(親など)、配偶者であり、兄弟姉妹には遺留分はありません。
このケースの場合、考えられる対策としては、義理の両親がAさんに財産を残したいと考えるならば、両親が生存中にAさんを養子にしてしまうという方法があります。
そして、遺言に「養子のAさんに、家を相続させる。長女には預貯金を相続させる」と記載しておければ、トラブルになる可能性は低くなると思われます。
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