制度の概要
平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住用の家屋の新築若しくは取得または増改築等のための金銭(以下、住宅取得等資金という)を取得した場合、一定の要件を満たすときは、その住宅取得等資金のうち500万円までの金額については、贈与税が非課税となります。
Q1.父と祖父からそれぞれ500万円ずつ住宅取得資金として贈与があった場合、贈与者ごとに500万円の非課税制度が受けられますか。
A1.どちらかのみになります。
非課税制度は、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に贈与により取得した住宅取得等資金については、受贈者1人につき500万円までが限度となります。
従いまして、贈与を受けた1,000万円のうち、500万円が非課税の対象となります。
Q2.妻の父から住宅取得のための資金を贈与されました。この資金について非課税制度の適用が受けられますか。また養親からの場合はどうですか。
A2.受けられません。養親からの場合は受けられます。
奥さんの父母(または祖父母)は、あなたからみて直系尊属に当たりませんので、非課税制度の適用を受けることはできません。
また、養親は、直系尊属にあたりますので、贈与時において養子縁組をしている場合は非課税制度の適用を受けることができます。
Q3.父から家を贈与されました。この場合も非課税制度の適用を受けることはできますか。
A3.受けられません。
非課税制度は、自己の居住用の家屋の新築若しくは取得または増改築等のための金銭を対象とする制度ですので、家屋そのものについては、適用できません。
Q4.贈与税は、暦年課税(基礎控除110万円)と相続時精算課税(住宅取得の場合の特別控除3,500万円)がありますが、この500万円の非課税はどちらでも併用可能ですか。
A4.可能です。
非課税適用後の残額には、暦年課税の基礎控除額あるいは相続時精算課税の特別控除額が適用可能です。
従いまして、暦年課税では610万円(=500万円+110万円)、相続時精算課税では4,000万円(=500万円+3,500万円)まで、贈与税がかかりません。
なお、相続時精算課税の場合、原則として父母からの贈与に限られます。
Q5.500万円の非課税制度を受けたい場合は、何か手続きは必要ですか。
A5.必要です。
贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告書及び所定の書類を住所地の所轄税務署へ提出する必要があります。
このコラムの執筆専門家
- 大黒たかのり
- (東京都 / 税理士)
- 大手町会計事務所 代表税理士
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