さて市場に無数にあるサプリメントから、いったいどのようなものを選べば良いのでしょうか。それにはまずサプリメントを飲む目的をはっきりさせ、自身の体調や病状を把握し、不足している栄養素を推測し、適切なサプリメントを選択しなければなりません。
つまり他人が飲んで効果があったサプリメントが自分にも効くとは限りません。それどころか、自分には合わないものを選んでは効果がないばかりではなく、逆に有害である場合もあり得るのです。
例えば貧血傾向のある女性には有効かつ必要な「鉄」を多く含むサプリメントは、多血症気味の男性にとっては有害な活性酸素を発生させかねない代物です。また抗酸化作用のあるベータカロチンは、妊婦が多量に摂っては胎児奇形につながる恐れがあります。
従って、自分の状況に適したサプリメントを選択するには的確な自己観察と自己分析が必要になってきますが、一般の方々には難しい側面もあります。そこで活用すべきなのが、医師や薬剤師、栄養士などの専門家です。
医師などの専門家は病気の診断をしたり薬を処方するだけでなく、患者の栄養状態を把握して不足している栄養素を推測し、必要なサプリメントについてアドバイスすることも重要な仕事です。米国などでは医師が進んでサプリメントを処方するようになってきました。
ただし日本では医師が栄養学を深く学んでいないという事情もあり、多くの医師はサプリメントの使用にあまり積極的ではありません。中には否定的な意見を言う医師もいます。そこで一般の方も最低限の知識は持っている必要があります・・(続く)
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このコラムの執筆専門家

- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
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