画像2はタルキの上に断熱材を並べ、断熱材間の隙間を気密テープで目張りし、その上にもう一度、タルキを設けその部分を通気層として利用する外張り断熱工法です。確実に断熱できて、施工不良の個所も一目で見つかる為、より優れた断熱工法と云えます。欠点はタルキを2重にする材料代と手間代の高騰です。あまり普及しておらず、手慣れた工務店さんが少ない事もあって、通常の屋根工事の1.5倍程度割高になってしまいます。割高分のお金を光熱費として消却すると、暖かい関西地方では何十年も掛かってしまうので、何の為に高断熱化したのか判らなくなってしまいます。
高気密・高断熱もローコストでなければ関西では成立しません。
余談ですが、この外張り断熱工法は寒い国で発達してきました。氷点下の外気温から20数度の室内の快適さを保つのには、高断熱化しなければならず高断熱化しようと思えば高気密化しなければならなっかのです。
関西が暑いと云っても、30数度にしかなりません。10度も温度を下げれば快適に生活できます。10度下げれば快適な関西と、30度近く上げないと生活出来ない北国では、断熱化工事に対する考えが全く異なります。
人間は一概に寒がりなのです。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
06-6714-6693
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