「頭金不要の1棟買い」の真実〜その3 - 不動産投資・物件管理全般 - 専門家プロファイル

尾野 信輔
株式会社えん 
不動産投資アドバイザー

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対象:不動産投資・物件管理

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「頭金不要の1棟買い」の真実〜その3

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そういった状況ですから、よくある話としては、利回りも高く、比較的融資の下りやすい5千万くらいの新築アパートを土地ごと購入し、それを担保に・・。なんてことにもなりがちです。

しかし、アパート経営の場合、いくら新築とはいえ鉄筋コンクリートのマンションと木造や軽量鉄骨のアパートでは耐久性が格段に違いますので、短期間では良いかもしれませんが、長期的にはコスト高になります。
場合によっては10室のアパートを建てるより、マンションを5室買ったほうがよい場合もあります。


件の商材にもあるように、不動産投資で重要なのは目先の利回りではなく、「出口戦略」です。

不動産を投資対象としてみるならば、未来永劫持ち続けるという発想は、あまり賢明ではありません。
利回りが高いということは、現状ではかなり価格は安いはずです。
安いには安いなり理由はあるでしょうし、そのような物件を数年の後、高い評価が付くように成長させるのは難しいかもしれません。
そうなると、将来売却するときは融資がつかない可能性が非常に高くなります。
売却対象を現金客にしか絞れないとなると、売り値を下げるしかないでしょう。

さらにアパート経営の場合は、将来的には耐久性の面から収益性よりも土地そのものの評価が売却の鍵になることが多々あります。
将来の土地の評価を見極め、最悪土地代だけで投下資金を回収できるようにするという、鑑定士並の高度な運用も必要になってくるでしょう。


現在の金融機関の評価は、収益性が重視される傾向にあります。
不動産投資を検討する際に最も重要な点は、将来にわたっていかに高い収益性を上げることができるかという点にあります。
それが、出口戦略にも大きく影響することになります。




ここいらで、一旦まとめると、以下の2点が重要なポイントになってきます。

1、できるだけ融資割合の高い物件→自己資金に影響
2、長期にわたり安定収益が見込める物件→将来の売却額に影響

頭金不要の1棟買いを成功させるのには、以上は不可欠です。
そして、そもそも金融機関の当初の融資付けは、将来を見越しての評価が大半なので、「融資割合が高い=安定収益が見込める=価格もそれなりに高い」というのがごく一般的な傾向です。

基本的な認識としては、どんなに価格が高い物件でも融資を活用する以上、融資さえ付けば、将来への収益性があるということで十分投資価値はありますし、逆にどんなに価格が安い物件でも、融資が付かなければ将来にわたって収益性が見込めない可能性が高いと言うことでよいかと思います。



その商材で共感したもうひとつの点は、一番理想的なのは、価格が安くて収益性が高い物件ということなのでしょうが、そういう物件があればいいなという気持ちではなく、かなり突っ込んだ情報網を構築して、必死に探さないと一生探してもめぐり合うことはないという点です。


家賃で暮らすというのは一見優雅なように見えますが、そこに到達するまでにはそれなりの苦労は必要になってきます。








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