中東、カタールは世界有数とされている。石油に取って代わる重要な天然資源
として注目される天然ガスを利用してこのほど同国のフラッグキャリア、カタール
航空は、天然ガスを燃料にした世界初の商用旅客機をロンドン〜カタール線で
10月13日に就航させた。関係者は、石油ベースのジェット燃料の代替燃料に
なると期待している。今回の就航について、開発したロイヤル・ダッチ・シェルは、
石油ベースの航空燃料の代替品にドアを開くものとコメント。
また、旅客機を製造したエアバスも、2030年には最高30%のジェット燃料が
代替燃料になるだろうとしている。
世界有数の天然ガス埋蔵国であるカタールは、環境に優しいとされる
GTL(Gas to Liquids)燃料の商業生産を2012年から開始する。
GTL燃料は天然ガスを一酸化炭素と水素に分解後、いくつかの製造過程で
硫黄や芳香族などが取り除かれるので大気汚染の元凶となる燃焼によって
生じるばい塵や硫黄酸化物は少なくなる。一方その精製過程が燃焼反応で
あることからエネルギーの無駄とCO2の排出を大量に生んでしまうという
デメリットもある。環境面においては「両刃の刃」といったところ・・・・
しかしながら石油を主力とした経営の軸が揺らいできている石油会社各社は
資源国のCO2削減値の緩いことを隠れ蓑に開発、販売を進めていくのは
間違いない。
我々が利便性を追求し続ける限り、同様の「いたちごっこ」的な問題はまだまだ
発生していくのかと思うと苦しくなる・・・・・
以上、【天然ガス旅客機、カタール航空が世界初就航!】
航空業界エキスパート 伊藤 弘輝
http://www.itohiroki.com