- 河野 英仁
- 河野特許事務所 弁理士
- 弁理士
対象:企業法務
- 尾上 雅典
- (行政書士)
- 河野 英仁
- (弁理士)
〜販売済イ号製品がクレーム文言に合致しない場合の判断〜(第4回)
河野特許事務所 2009年11月2日 執筆者:弁理士 河野 英仁
Gemtron Corp.,
Plaintiff- Appellee,
v.
Saint-Gobain Corp.,
Defendant-Appellant.
3.CAFCでの争点
争点1:クレームの文言解釈時はイ号棚の製造時か、販売時か?
クレーム23*2の問題となったのは以下の下線部分である。
23.「冷蔵庫の棚であり以下を含む、 ・・・ 一時的に屈折し、その後ガラスの前端・後端の一つを、ガラス端部受け溝にパチンと嵌め込むために跳ね返る比較的弾性のある終端部・・」
被告はイ号棚が、クレームされた「比較的弾性のある終端部」を有するという点を除いてクレームの全ての構成要件を満たすという点については争っていない。
被告側鑑定人は、常温にてガラスパネルをイ号棚の枠に挿入しようと試みたが、当該枠はガラスパネルの挿入を可能とするほど弾性を有するものではないと証言した。被告はこの証言に基づき、イ号棚は「比較的弾性のある終端部」の文言を充足しないと主張した。
これに対し、原告の専門家は、イ号棚の枠を加熱することにより、ガラスパネルを枠の受け溝にパチンと嵌め込むことができると述べた。また、原告は被告のイ号棚の製造工程を撮影したビデオを提出した。これには、被告メキシコ工場において枠を加熱することによりガラスパネルを嵌め込むイ号棚の製造工程が録画されている。
イ号棚がクレーム23の文言を充足するタイミングが製造時か、または、販売時かが問題となった。
(第5回へ続く)
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