お寺と赤い光 - インテリアコーディネート全般 - 専門家プロファイル

前川 知子
株式会社ハウスオブトゥモロー 
インテリアデザイナー

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対象:インテリアコーディネート

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閲覧数順 2024年04月15日更新

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夜も結構遅く10時頃、増上寺の横を通りかかったところなにやら普段とは違う雰囲気。サーチライトが夜空をぐるぐるかき回しているその光の出ているあたりには、仮設のしかしかなり大きなテントが組まれ、その中の色とりどりの光と音響が周囲にあふれ出ています。何をしているのか気になって、近寄って行ってみました。関係者とか招待者以外はこれ以上立ち入り禁止、というラインのあたりで、このなにやらのイベントのスタッフらしき人に聞いてみたところ、某有名ブランドのパーティーというかイベントらしい。それを聞いてなるほど、と合点。以前私が照明の仕事をさせていただいたCHANELの銀座ビルのオープニングの時には、日比谷公園に巨大な(ほんとに巨大な)真っ白なテントをつくって、招待客のためだけのファッションショーとパーティーの会場を設営していたのを見せてもらっていたので、そういう類のイベントなんだろうなと察しがついたわけです。しかし増上寺の敷地内で、東京タワーをバックにやると言うのも、意外性があって面白く、さすがスーパーブランドと思いました。さて、招待されてもいない私はもちろん中には入れませんが、その周囲を回っただけでも十分楽しめました。

お寺の正面の門から、その奥のイベントテントまでのアプローチの緩やかな石段に、赤い強い光のラインが斜めクロスしながらずっと配置されています。
近寄ってみるとファッションショーなどでよく使うやや大型のスポットライトを路面に転がしただけです。これに赤い色のフィルターをつけて赤い怪しい光のラインを作ってアプローチを演出していたのでした。単純だけど面白い、舞台演出の人の賢い演出を感じました。そしてこれは舞台上でやるよりも、お寺のしかも外部空間でやることで、初めて見たとしか言えない、非常にユニークな空間体験をさせてくれたのでした。

(この記事は、弊社ブログにも掲載いたしました)