- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
高気密・高断熱はいつも反対論者のプロパガンダに晒されていますが、同じ高気密・高断熱を目指していながら、内断熱派と外断熱派がお互いに牽制し合っているという構図もよく見られます。
外断熱推奨者は「高気密・高断熱はペットボトルハウスである」というアンチ高気密・高断熱派に対し、「防湿シートを張り巡らしたグラスウール内断熱は正にビニールハウスであり、これこそペットボトルハウスである」と言ってその矛先を内断熱派に向けているのですが、私は高気密性能を出しているなら内断熱であろうと、防湿シートを使用しない外断熱であろうとペットボトルハウスに変わりはないと思います。
それにペットボトルと言われることが恥ずかしいことだとは思いません。それだけ気密性が高い、という認識が持たれているということなのですからありがたいことだと思います。但し、ただのペットボトルではないことを説明しておいた方がいいでしょうが、、。
そもそも人が住む家を健康で快適な環境にすることを目指しているのですから、どちらの工法であってもその基本が変わるわけではなく、それぞれの欠点を良く理解してそれを補う方策を忘れなければ、どちらが「勝ち」というものではないのです。
早くそんな不毛な議論は止めにしてもう少し建設的な方向に目を向けてもらいたいものです。高気密・高断熱の工法にはまだまだ数え切れない位のアイデアが生まれてきているのですから。