川越市立美術館、埼玉県立美術館、遠山記念館の3館で同時に行われていた
一連の長澤英俊展を、終了間際に駆け込みで見てきました。
埼玉県立美術館だけは、時間切れで見れなかったのですが、今まで設置してある
パブリックアートを1点づつ程度は見てはいたのですが、まとまった長澤氏の
作品を見たのは実はこれがはじめてでした。
素材感とバランス感覚に優れた作品はどれもすばらしいのですが、中でも
特にすばらしかったのは、「オーロラの向かう所−柱の森」です。
光のほとんどない部屋に大理石の列柱が並んでいるのですが、真っ暗い部屋に
カーテンを開けて入っても、なーんにも見えないので、じっと待つことおそらく
20分以上。だんだん柱が見えてきます。
周辺を回ったり、列柱の間を縫うように歩いてみたり、少しづつ、様々な
表情を見せてくれる彫刻に、すっかり心打たれました。
40-50分くらいはいたのでしょうか。最後には、本当にわずかな光の差まで
感じるようになっていました。この作品、面白いなー
暗順応には、あんなに時間がかかったのに、明順応はなんと早いことでしょう。
一歩部屋を出たら、すぐに順応してしまいました。
中島吏英 - Unwind - 展 @ void+ でも、最近体験した水戸芸術館の
「現代美術も楽勝よ。」展に展示のあったジェームズ・タレルの「ソフト・セル」
も、暗闇の中で感じるアートです。
現代って、暗闇が足りないのでしょうね。