為替マーケット09年9月号 - 保険選び - 専門家プロファイル

山本 俊樹
インテグリティ株式会社 
ファイナンシャルプランナー

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対象:保険設計・保険見直し

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為替マーケット09年9月号

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やさしい経済の話し 為替マーケット

ドル全面安、円は90円突破は必至


9月11日現在、円は90円突破を目前にしている。
マーケット全体でドル売りが加速してきている。このような動きにはいくつかの理由がある。まず、米国連邦準備理事会(FRB)の金融政策への姿勢である。FRBは、「量的緩和は当面追加しないが、超低金利水準は維持」することを明言している。これは、現在の政策金利0~0.25%の超低金利政策が長引くことであり、大量に供給されているドルを手放し、金や原油などの商品やユーロや資源国通貨を買う動きが活発化してきている。それにつれて円もジリ高になっているのである。

また、民主党政権をにらんだ思惑での動きもある。まず、民主党が掲げる政策を実行するには財源問題があり、いくら無駄を省くといっても限界的で結局は国債の増発につながり、長期金利が上昇するのではないかとの思惑で円が買われる。さらに、藤井最高顧問(財務大臣ともささやかれているが)が円安政策や円売り介入に否定的な見解を示したと通信社が伝えたことで円高に向かってもそれを阻止する可能性は低いという思惑から円が買われる。新政権発足後、介入に対する姿勢を試そうと海外勢が円買いに動く可能性もある。

また、以前円安を支えてきた本邦投資家の外貨投信ブームは現状あまり期待できないことも上値を抑える原因となっている。

このように、現状、円高に向かう理由のほうが優勢であり、90円突破も時間の問題といっていいのではないだろうか。ただし、それでは80円台のマーケットが持続されるのか、更なる円高定着となるのかというとそれも疑問である。米国経済のところで見てきたように、米国経済は順調に回復への行程を歩んでいる。今年いっぱいの利上げはないとしても来年から再び利上げを探る動きとなり、ドルが買い戻されてくるのではないだろうか。

当面のレートとすれば85円まではあるように思う。年内85−95のレンジを予想する。