- 臼井 優樹
- 株式会社ユザック 専務取締役 サポート事業部門長
- パーソナルコーチ
対象:人材育成
10)お客様のタイプを知って営業スタイルを使い分けよう!
*無理せず売れるとき、頑張っても売れないとき
こんにちは。パーソナルコーチの臼井優樹(うすいまさき)です。
営業活動をしているとき、無理せず自然な自分のままでも、お客様
との会話がはずみ、とんとん拍子に成約に結びついた不思議な経験
はありませんか?
そのとき、あなたは特に無理することもなく、良かれと思った準備を
し、自然な会話の中で説明をして、お客様のご理解と信頼を得ていま
す。
一方、その反対に、いくら頑張って無理しても、話がかみ合わず、
資料も無駄になり、お客様との距離が縮まらない経験もお持ちでは
ないでしょうか。
いったいその差はどこにあるのでしょうか。
*ハーマンモデル 〜人には購入決定のプロセスに違いがある〜
大脳生理学研究の応用であるハーマンモデルでは、人それぞれに
物事を考えるアプローチに違いがあるとしています。
商品・サービスを購入するときの意思決定のプロセスや、購入の際
に重視することについてもタイプがあり、あなたのタイプとお客様のタ
イプがピッタリだったときに、無理せず自然なままで会話が弾む経験
をするのです。
人は、自分が良かれと思うアプローチで人に説明し、説得を試みる
ことがあります。お客様のタイプに合った説明ができれば、購入に至
る確率も大幅に上がるでしょう。
そのためには、まず、あなた自身のタイプを知ることから始める必
要があります。
ハーマンモデルは、脳優勢度調査や、利き脳分析、脳適正分析な
どと呼ばれるもので、右きき、左ききと同じように、脳を機能別に4分
割したモデルにより自分のタイプの理解を試みます。
突然ですが、簡易型のハーマンモデル脳適正分析をしてみましょ
う。あなたの買い物スタイルに近い人を次の4つから選んでください!
<Aさん>
カタログを集めて、実験データや商品スペックなどの情報を分析・
比較して商品を選びます。また、価格に見合った価値があるかどう
か、じっくりと吟味してから購入します。
<Bさん>
信頼のおけるメーカーの商品であるかを調べます。衝動買いはあ
まりしません。余計な機能が追加されているよりも、目的の機能が
優れていることを好みます。
<Cさん>
友人からのおすすめや、著名人の推薦があると、とても欲しくなり
ます。テレビショッピングでの購入も多く、良い商品はお互いに教え
合って情報を共有することを好みます。
<Dさん>
これだ!という直感を伴なう商品との出会いがあり、すぐに買わな
ければ、二度と手に入らないのではと思うあまり、衝動買いも多い
傾向が。変わったものや、デザイン性の高いものを好みます。
それぞれに特徴的ですが、どれが優れていると言うことではあり
ません。また、学習スタイルやコミュニケーションでは違うタイプに
なる場合や、環境や場面によって変化することもあります。
*あなたのハーマンモデルタイプは?
Aさんを選んだあなたは、論理的で事実重視、先例のある確かな
結論を求め、経済的な面でもしっかりしています。
Bさんを選んだあなたは、計画的で詳細、順序だった手続きを重
視します。信頼性、能率、秩序、規律を重んじます。
Cさんを選んだあなたは、人間関係を重視し、チームの雰囲気や
態度に対して感受性が強く、他人を気づかいます。
Dさんを選んだあなたは、直観力に優れ、想像的で独創的な活動
を好む冒険家です。多少のリスクは楽しんで飛び込みます。
どうでしょう!簡単な質問による簡易診断ですので、あっています
か?本来は、120問の詳細質問から自分のタイプを見極めて、よ
り詳しい特徴を理解することができます。
*お客様のタイプを見極めてアプローチを調整しよう!
あなた自身のタイプを理解したところで、今度は、お客様のタイプ
の理解を試みます。
この時、ハーマンモデルの診断をしていただくことは現実的では
ないので、ちょっとした日常会話の質問を工夫することで、タイプを
見極めましょう。
質問例)今度の連休はどうお過ごしのご予定ですか?
こんな質問に、
「詳しくは行き先は決めていないけど、東北方面にドライブに行く
予定だよ」と答えた場合、そのお客様はDさんのタイプであることが
予想されます。
多少のリスクはおりこみ済みで小さな発見やサプライズ、冒険を
楽しむタイプです。
そんなお客様に対して、商品・サービスをご紹介する場合、どうし
たら良いでしょうか。
その商品・サービスを使用した際に得られる驚きの効果や、期待
できる未来像、ビジョンを語りましょう。クドクドと詳細な説明は逆効
果ですので要注意です。
その他のタイプは、こんな回答から予想できます。
Aタイプ:「今回は渋滞がひどそうなので外出は止めて家で映画を
見るよ。」(事実重視、合理性重視)
Bタイプ:「2ヶ月前に予約した新幹線のツアーに行きます。」
(計画性、安全性重視)
Cタイプ:「この間、テレビの旅番組で紹介していた鎌倉に友達と
行くの」(人間関係重視、紹介重視)
このように、上記のA〜Dのタイプに見られる傾向を、何気ない会
話の中で見つけていく訓練をしましょう。
そしてお客様のタイプがある程度予想できたところで、お客様が受
け入れやすい説明や、説得の仕方を考え、調整します。
Aタイプ:事実重視で裏づけが大切。数値、グラフ、実験結果を用意
Bタイプ:安全重視で信頼性が大切。詳細な資料と説明が重要
Cタイプ:人間関係重視で紹介が大切。誰が使っているのかが重要
Dタイプ:ビジョン重視で独創性が大切。夢、将来像に関するストーリーが重要
*自分と別のタイプの人の協力も必要
もし、あなたがDタイプの傾向が強い場合で、お客様がBタイプだと
すると、話がかみ合わず、結果売れないことも予想されます。
そんな時は、社内のBタイプの人に相談しましょう。
・Bタイプのが買いたいと思うのはどんなとき?
・何から話せばいい?
・重点的に説明する内容は何?
などを直接Bタイプの人に聞くのです。それを参考に資料など営業
活動の準備をしましょう。
また、可能であれば、Aタイプのお客様にはAタイプが担当するとい
うように、営業担当をお客様のタイプによって決めることも効果的です。
そのためにも、最低限でも社内のメンバーのハーマンモデルのタ
イプは把握しておく必要があります。
余裕があれば、ハーマンモデルについての社内研修などを通じて
理解を深め、営業活動に役立ててはいかがでしょうか?
ハーマンモデルの診断や社内研修などについてのご相談や、営
業活動への積極的な応用方法の詳細については、(株)ユザックの
サポート事業部門までご連絡ください。
*今日のポイント
「お客様のタイプを知って営業スタイルを使い分けよう!」
何がお客様の心を動かすのかは、人によって違います。このコラ
ムでは、お客様の心を揺り動かす決め手を知る手がかりの一つとし
て、ハーマンモデルを応用することをご提案しました。
まずは、あなたご自身のタイプや社内のみなさんのタイプを理解
し、お客様のタイプにあわせた営業活動のアプローチを検討してみ
ましょう。
あなたは、ご自身のタイプを理解していますか?そして、お客様の
タイプを見極めて個別のアプローチをしていますか?