- 島田 千草
- 株式会社ノーメン・ジャパン 代表取締役
- 東京都
- ブランドコンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
実は、第10回目で『ネーミングの秘訣』シリーズ終了と考えていましたが、言い尽くせない事がまだまだあるので、本日第11回目を再スタートさせることにしました。
♯11)あなたが好きなネーミング案以外の候補ネーム達との付き合い方
『ネーミングの秘訣10』では、最終ネーミング案をダイヤ原石にたとえ、どのように見極めればよいのかについて触れました。
しかし、ダイヤ原石のようなネーミング案を最終的に絞り込んで決定する前段階では、いろいろなドラマもあるはずです。
例えば、個人的に強く惹かれたネーム案が、他のチームメンバーから全く評価されることなく民主主義の原則に則った人気投票で落とされてしまったとき、あるいは、すでに完全同一のブランドが存在するという事実を担当者から知らされたとき、がっくり肩を落とし、落胆の余りにその他の候補ネームなど、あなたにはすべて色褪せて見えてしまうことさえあるかもしれません。
そうは言っても、やはりここでは気分を刷新し、素早く次の有力候補に乗り換える必要が有ります。
ネーミング決定の過程では、迅速なプロジェクト進行の都合上、つねに早急な判断が強いられることになります。
頭ではもちろん分かっていても、落胆の余り希望の光を失いかけた心は、そう簡単について来ることもままならないこともきっとあるはずです。
ここで、ネーミングのプロの立場からのちょっとしたアドバイスです。
自分がベストでないと感じるネーム案に、例えば『二流』のような批判的なレッテルをあなた自身が貼ってしまい、ますます自らの不満足度を高めてしまわないためにも、ぜひこのアドバイスに耳を傾けてみて下さい。
このアドバイスの意図するところを理解して下さる方が多ければ多いほど、日々ネーミングを提案している私たちにもそのメリットは大いに影響し、よりプロダクティブで、満足のできる良好な結果を生み出すことに繋がっていくのです。
アドバイス その1:寛容な広い心を忘れずに。
100を超すネーム案が諸事情から葬られ、あなたやあなたのチームのフラストレーションもひどく溜まってきた状況のときに、最高のアイデアやネーム案がぱっと浮上して来ることがあります。
また、せっかくのアイデアやネーム案を少々の理由で手放してはなりません。
いつか花咲く蕾のようにだんだん成長してくるのを見守ることも大切です。
小さなアイデア案が素晴らしく美味しそうな果実に熟すことだってあるのです。
アドバイス その2:ネーム案は、できるだけ沢山揃える。
ネーム案は数が多ければ多いほどいいでしょう。もうこの辺で十分と考えても、とにかく数はより多く揃えましょう。
あなたの持つクリエイティブ力をストレッチ運動するみたいに慣らしていくことも、想像以上のチカラを発揮させるためには欠かせません。
ひとつのアイデアから、別のアイデアが、さらに、また別のいいアイデアが生まれてくるものです。
最初はちょっとばかばかしいと感じるようなアイデアも、ぜひ取り入れてみることをお薦めいたします。
判断を下すより、とにかくアイデアを増やすことに全力を注いでみて下さい。
評価は、のちにしっかり行いますのでご安心下さい。
アドバイス その3:がっかりすることも、予め心構える。
ネーム選考の過程で、あなたの判断基準に見事クリアした候補案が10ネーム、トップ10として残ったと想定します。
しかしながら、商標上の問題等の理由から、そのうちの3分の4、もしくはそれ以上のネーム案が使用できないという残酷な結果が出されることもしばしあります。
ですから、敢えて申し上げます。
最終的な査定評価が下されるまで、ひとつのネーム案に心底のめり込むことは、絶対にお薦めいたしません。
アドバイス その4:辛抱して最後まで待って、最終的な決定を下す。
これは非常に大切な事です。
必要ならば、ぜひ周囲の助けを借りるのもいいことです。プロの意見にもぜひ耳を傾けてみましょう。
適切なネームを手に入れることが重要であることを、つねに忘れないで下さい。
最後に、もう一度繰り返しますが、あなたのベストでないネーム案にセカンドクラスのラベルを自ら貼り、無駄にフラストレーションを募らせないで下さい。
いいネーミングに巡り会うためには、焦りは禁物なのです。
そして、あなたの選ぶネーミングは、ビジネスの成功と強く繋がっていることをお忘れなく。
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