このような5月病を防止するためには、ペース配分や長期的な視野が大切です。5月病にかかってしまう人は、まじめで一本気な人が多い傾向があります。どうしても目先の仕事に夢中になり、連休のようなイベントを契機として燃え尽きてしまいます。従って5月、6月以降の長期スパンを視野に入れ、へばらないような姿勢が望まれます。
別なタイプの病気に「冬季うつ病」があります。これは冬の時期に、特に北日本の日本海側に多発することで有名な、季節性のうつ状態です。原因の一つとして言われているのが「日光不足」です。東京の人には想像しにくいかも知れませんが、私が20年以上住んでいた山形などでは、冬の間は連日雪が降り、晴天は殆んどありません。
このような環境では気分が滅入り、人によっては本当にうつ状態になってしまいます。日光というものは、我々が考えているよりもはるかに重要です。日中浴びる日光がアミノ酸から「メラトニン」という物質を体内で合成します。このメラトニンが脳内で精神的安定と熟睡をもたらすのですが、日光不足でメラトニン不足になってしまうのです。
この冬のうつ状態を防ぐには、晴れた日にはなるべく外に出ることと、運動をすること、栄養バランスに気をつけることなどが必要です。実際に一部の病院では「光線療法」といって、通常の室内の5〜6倍もの光線を浴びることによって、うつ病の治療をしており、良好な成績をあげております・・(続く)
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このコラムの執筆専門家
- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
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