商品ファンド購入前に商品指数について考えましか - 資産運用・管理 - 専門家プロファイル

吉野 充巨
オフィスマイエフ・ピー 代表
東京都
ファイナンシャルプランナー

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対象:お金と資産の運用

柴垣 和哉
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2024年04月23日更新

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商品ファンド購入前に商品指数について考えましか

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資産運用の原則 資産配分(アセットアロケーション)
商品ファンドの購入にあたり参考としていただくため各商品指数の年間の上昇率を試算しました。

現況は、2008年の商品バブルが弾けたあとのパニック状況が収まり、漸く商品価格も落ち着いて参りました。
その時点で一度、主要な商品指標の年間上昇率を試算しました。各自のポートフォリオに商品(ファンド)を組入れるかの参考データとして活用ください。(平均上昇率は幾何平均です)
 
・日経商品指数17種
 本指数の基点は1970年平均=100です。2008年平均は110.181ですので、なんと38年間の上昇率は年平均で約0.26%です。2009年7月の指数は118.327ですので、年平均上昇率では約0.44%に過ぎません。

・日経商品指数42種
 本指数も基点は1970年=100です、2008年平均は147.854ですから年平均上昇率は1.05%で、2009年7月は146.320ですので年平均上昇率は0.98%です。

⇒両指数から解ることは、素材・製品等の国内価格は長期間で見ると年平均で1%に満たない上昇しかならず、商品ファンドにキャピタルゲインに期待するには、短期間の売買が必要と思われます。資産形成には不向きと思われます。

一方海外の商品指数に目を向けたときは如何でしょう。
・日経国際商品指数
基点は1980年=100で、2008年平均は177.945でしたので年平均約2.08%の上昇でした、ただし原油価格が大幅に下がった後の2009年7月は137.996ですので年平均約1.11%の上昇率に低下しています。やはり原油価格の上昇がキーポイントになるようです。

・ロイター指数
基点が第二次世界大戦前の1931年9月18日=100で78年前からの商品指数です。此方の2008年平均は2535.3ですから、年平均の上昇率は約4.29%ですが、この指数は原油等のエネルギーが入っていず、農産物と畜産物比重が高いので2009年7月の値は2082.0になり年平均の上昇率は約3.97%になりました。なお、ポンド建で算出されますので、ポンド価格の影響が強く出ます。もしこの指数に連動する金融商品をこのくらい長期間保有すると世界の体制変化が生じるため、価値有るものになります。

・ロイター・ジェフリーズ・CRB指数
 基点が戦後20年経った1967年=100で、41年後の2008年平均は365.31ですので、年平均の上昇率は約3.21%ですが、原油価格が低下した2009年7月は244.10ですので、このケースでは年平均上昇率は約2.15%に落ちました。

海外の商品指数のほうが上昇率が高い実績ですので、指数に連動する投信やETFは国内よりもリターンが期待できそうです。ただし、喧伝されているような高いリターンを望めないように思われますので、ポートフォリオに組入れる際にも、5%程度の軽い形で置くが宜しいのではないかと考えます。

各指標に含まれる商品
・日経商品指数17種 
 ○繊維・綿糸・毛糸・生糸(・スフ糸 ○鉄鋼 ・棒鋼・山形鋼・H型鋼・薄鋼板・厚鋼板
 ○非鉄・銅・亜鉛・鉛・アルミニウム・すず○食品・砂糖(上白)・大豆 ○その他・天然ゴム

・日経商品指数42種は内閣府が毎月発表する「景気動向指数」の先行指数として採用されています。
 ○繊維・綿糸・毛糸・生糸・スフ糸・アクリル糸・ポリエステル糸・ナイロン糸
 ○鉄鋼・棒鋼・山形鋼・H型鋼・薄鋼板・厚鋼板・機械構造用炭素鋼・ステンレス鋼版
 ○非鉄・銅・亜鉛・鉛・アルミニウム・すず・黄銅丸棒・伸銅品銅条
 ○木材・ヒノキ正角・杉小幅板・米ツガ正角・合板
 ○化学・カセイソーダ・純ベンゼン・低密度ポリエチレン・塩化ビニール樹脂
 ○石油製品・ガソリン(標準物、税込み)・灯油(民生用)・軽油(税抜き)・C重油(硫黄分3%)
○紙・板紙・上質紙(A級、標準品)・コーテッド紙(コート紙、A級品・ダンボール
 ○食品・砂糖(上白)・大豆・大豆(白絞め)○その他・セメント

・日経国際商品指数は14品目から算出。石油市況の影響を強く受ける指数です。
 ・ナフサ・ガスオイル・重油・小麦・大豆・トウモロコシ・銅・アルミニウム・金・銀・コーヒー ・砂糖・綿花・天然ゴム 

・ロイター指数
 小麦、綿花、コーヒー、羊毛、銅、砂糖、ゴム、とうもろこし、米、牛肉、大豆、ココア、すゞ、落花生、コプラ(やしの実でコプラ油の原料)、亜鉛、鉛の17品目で、その加重幾何平均をとっています 。

・ロイター・ジェフリーズ・CRB指数は
 米国内で取引される商品先物取引価格から算出される指数のことで、インフレの先行指数として国際的に注目されています。
原油、燃料油、無鉛ガソリン、天然ガスのエネルギーのほか、とうもろこし、大豆、小麦、綿花、牛、豚、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、ココア、コーヒー、オレンジ・ジュース、砂糖の19品目です 。ロイター指数に無いエネルギーや貴金属が含まれます。