行間の力 - 対人力・コミュニケーションスキル - 専門家プロファイル

宮本 ゆかり
マイウェイネットワーク 
ビジネススキル講師

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閲覧数順 2024年04月19日更新

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行間の力

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夢を実現する力 うまくいく人の本質を学ぶ
目の前に見えるアウトプットされた形〔例えば、“本に書かれた文章”だったり、“ヒット曲の歌詞”だったり、“絵画”だったり・・・〕の背後には、見えない“行間”が存在しています。
または、もっと単純に“間〔ま〕”と呼んでもいいかもしれません。

天職に生きるプロから生み出されるもの〔作品〕には、実は多くの“行間”が凝縮されています。
つまり、見える形に至るまでに、目には見えないけれど、そこに込められた多くの何かが、たくさん捨てられている。いや、踏み台となって込められているのです。

例えば、『企画のプロ』は、一つのヒット商品を生み出す前に、100以上の企画を考えてボツにしています。
それに対して素人は、2つか3つの企画を考えるのが精一杯。
それが採用されなかったといって文句を言います。
プロは、最初からアウトプットする母数のケタが圧倒的に多いのです。
今、陽の目を見た「1」は、「999」の土台の上に成り立っているのです。

多くのベストセラー本を出版している齋藤孝さんも、「一冊の本を書く前には、その何百倍も本が資料として読み込まれている」と言っています。

また、数々のヒット曲を飛ばしたシンガーソングライターの松任谷由実さんは、“多作”で知られていますが、彼女のアルバムに収録されているメジャーな曲の裏では、創作されても表に出てこなかった作品がたくさん埋もれているのです。
彼女だってスランプに陥ることはあります。
そんな時、調子が悪いからと休まずに、「書けなかったら、スタイルが見つかるまで書く」といいます。
いったん止めてはいけない。常に転がっていないと出てこないのです。

こういう姿勢は、学生時代に美術を専攻し、絵画を描いていた時代に先生から叩き込まれたそうです。
「描けなくても、わからなくても、とにかくたくさん描け」「リンゴを描くんだったら、裏まで描け」というような精神的にも深い教えです。
見えないものを描く、空気を描く。
これは絵の世界から音楽の世界にシフトしても活かされていて、歌詞という限られた字数の中で、どうやって行間にパワーをもたせるか?
ということにつながっているようです。〔どんな世界でも応用できる共通要素ですね〕

これを知ったとき、私は同時に、ジャンプする時の“溜める”姿勢を想像しました。
高く飛ぼうと思ったら、ひざを曲げ、腰を落として、しっかりとパワーを溜めなければいけません。
らくらくとたやすくできることなんて、所詮、たいしたことではないんです。
パワーをしっかり溜めて、行間の力を発揮できるよう、常にたくさんアウトプットしつづけたいものです。