- 宮本 ゆかり
- マイウェイネットワーク
- ビジネススキル講師
対象:ビジネススキル
私自身は、学歴も専門知識もなく、人並み〔或いは平均以下?〕の能力しかない主婦です。
でも、意外に、これまで自分が欲しい成果〔実現したいこと〕はほとんど手に入れてきました。
それはなぜか?
周りの皆様からのご協力をいただくことができたからだと思います。
私自身が能力不足でも、やりたいことをちゃんと手伝ってくださる方々が周りに現れるのです。
それはたぶん、私が『相手の話に、心を傾けて聴く』という姿勢を貫いてきたからかなと思っています。
以前、こんなことがありました。
上海に引っ越しをしたのですが、その際、生活ができるようにするため、いくつか部屋に手入れをする必要がありました。
まずはお風呂の改装工事。
他にも、カーテンの取り付け〔カーテンレールの取り付けから布のオーダーまで〕や、大きな家具の移動など、やらなければならないことがいくつかありました。
でも、当時は中国語もできないため、「どうしたらいいものか・・・」と困っていました。
そこで、とりあえず不動産屋から紹介された業者に風呂の改装工事を依頼しました。
請け負った業者の責任者は、日本語が堪能な筆さんという中国人男性。
彼は、部下である職人さん達に指示をしながら現場監督をやってくれました。
工事の合間に、私はお茶を出しながら、彼と雑談をしました。
「筆さんは普段、どんなお仕事をしているんですか?」という質問から始まって、これまでの彼の半生にまで話題が及びました。私はその話に一生懸命耳を傾けました。
彼にとって私は、ただの客です。
それにも関わらず、彼は自分が過去、2度の離婚を経験したことや、事業に失敗して破産したこと、また、学生時代、政府に反対する民主化運動を起こして公安に拘留されたこと等など・・・、自分の過去を振り返り、深い心の傷を打ち明けてくれました。
私はそんな彼の苦労に思いを馳せながら、「そう。それは大変でしたね」「よく頑張りましたね」と、相槌を打ちながら聴くだけでした。
さて、そうこうしているうちに、風呂の改装工事は終わりました。
帰り際、彼が私に言いました。
「宮本さん。他に何か困っていることはないですか? 私にできることなら力になりますよ」
そこで私はお言葉に甘えてこう言いました。
「実は、カーテンもまだ付いていないし、移動したくても動かせない家具もあるんです」
すると彼は、すぐに知り合いのカーテン業者に手配し〔値切り交渉も〕、おまけに自社の職人さん達を使って、家具の移動や部屋のもろもろの不具合の修理など・・・すべてをサービスでやってくださったのです。
本当に有難く、親切が身に沁みました。
私はいつもこうして出会った方から助けていただいています。
振り返ってみると、結局、自分が「こうありたい」と望んだことが、そのように成るのです。
べつに最初から下心があって、何かをやってもらおうと思っているわけではありません。
関わる相手に関心を寄せ、話を一生懸命聞いているうちに、自然と助けていただいているのです。