- 山藤 惠三
- 有限会社エスオープランニング 代表取締役 クリエイティブディレクター
- 東京都
- クリエイティブディレクター
この時期、日本人は、生まれ故郷に帰ってご先祖様にご供養をする、この世とあの世が近づく季節です。
こんにちは、山藤(サンドウ)です。
映画やドラマ、ドキュメンタリーが花盛りの現代、
TVや、DVD、劇場公開作品や、ベストセラー小説のチェックなど、
映像や演出に携わるものとして、とても幸せな時代の中に生きていると日々思います。
しかしながら、
とても幸せな環境の中にいると、
それがけっこう普通になってしまい、良い映画を観ても、感動する物語に出会えても、
すでに、感動慣れしているせいか、
もっと感動させてほしい、、もっと号泣させてほしい、、
と思ってしまうのが人間のサガですね。
心にのこる映像の味付け方法は?
今回は、その演出・構成のキモ!、ラストシーンについて書いてゆきます。
終わりよければ全てよし!
と、昔の人はよく言ったものですが、
どんなに、良いストーリーでも、
こんなに、すごい映像であっても、
どれだけ、すてきな俳優さんの表情があっても、
ラストシーンで、きっちり、ハッキリ決まらなければ、
いつまでも心に残る映像や、物語には到底なりません。
ラストシーンの演出、エンディングの構成術について、勉強してゆきましょう。
その1 引きの美学でのエンディング
ほとんど多くの映像作品などで使用される手法。
ズームアウトして、ドラマの終了を俯瞰的に眺めてゆく、
ハリウッド映画でも、犯罪系映画や、パニック映画のエンディングを思い出してください。
だいたい、事件の終了とともに、カメラがズームアウトしてゆきます。
犯罪映画の場合、
事件の解決とともに、いつも遅れてくる警察車両や、救急車、その前で、恋人と抱き合う主人公、
気の利いた、最後のセリフを合図に、カメラがズームアウトして、人々の動き、事件の起きた家、その街並み、
最後は、夜空(もしくは青空)へと消えてゆき、エンドロール。
というスタイルは、どこかで必ず見ていることでしょう。
これは、見る人の開放感を誘い、「あー面白かった、おー、物語が一段落した!」という気持ちにさせてくれます。
ズームアップと並んで多いのが、''ティルト・アップ、''にしてゆく方法もあります。
これは、カメラをどんどん上に向けてゆく、青空へといざなってゆく方法です。
これも、見ている人の意識を気持ちよく、広がってゆく世界にとけてゆく〜、
という印象を出します。
困ったときには、引きの美学を使え!です。
これでキマリよ!です。
つづく。