2009年7月24日の日経新聞社会面に、
京都地裁での賃貸住宅の更新料「無効」判決の報道がなされました。
(26日朝日新聞にも同様の記事掲載)
2001年4月施行の消費者契約法に基づき、
更新料は「入居者の利益を一方的に害する特約で無効」
との判断がなされましたものです。
更新料についての過去2件の裁判(京都地裁、大津地裁)で、
両方とも「更新料は有効」との判断がなされていただけに、
今回の判決は関係者の間に動揺が広がっています。
新聞紙面の取り扱いも大きかったので、
多くの方がこの記事を目にしていると思うと、
管理の現場での混乱が懸念されます。
消費者契約法については、原状回復における経年劣化・自然損耗を
「貸主負担」とする判決や、敷引きについても
「違法」との判断が多く出ています。
民法には「契約自由の原則」があり、
個人的には、消費者契約法の広範囲での適用は
いかがなものかという気もします。
原状回復の問題や敷引きの司法判断には納得性が高いものの、
合意を交わしている「更新料」項目が、常識的に考えて
「消費者の利益を不当に侵害している」とは到底思えないのですが・・・。
ただ、「更新料」が「賃料の一部」とする解釈には、
今では無理があるのも事実です。
そもそも「更新料」は「礼金」と同じく、
貸家が少なく貸手有利な時代の産物です。
「礼金」は「大家さん、貸してくれてありがとう。」、
「更新料」は「大家さん、更新させてくれてありがとう。」です。
賃料が右肩上がりだった時代は、更新を機に退去してくれたほうが
新しい入居者に高い賃料で貸せて大家さんにとっては有利でした。
それを更新したのだから、
「本来もらえるはずの値上げ賃料分を更新料として受取るのは当然」
という考え方が「賃料の一部」という解釈に残っていると考えられます。
2-3年毎の更新というのも、短期賃借権が保護されている時は、
借主側にもそれなりに納得性があったと思います。
(民事訴訟法改正により短期賃借権保護は廃止)
しかし、いまや全住宅の13.1%が空室の時代。
(2009年7月28日総務省発表)
もちろん賃貸住宅ばかりが空いているわけではありませんが、
住宅は余っている時代です。
需要と供給から言えば、完全に「借手有利」な時代。
「借主さん、借りてくれてありがとう。」
「借主さん、更新してくれてありがとう。」
の時代です。
今は、「空いたら埋まらない」時代、
「前の入居者より安くしか貸せない」時代です。
退去されたら、リフォーム期間、募集期間などで
最低1ヶ月間は賃料が入ってこない時期があります。
おまけに、空室になった際のリフォーム費用も
ほぼ全額貸主負担です。
あくまで感覚値ですが、「更新」が退去のきっかけになるケースは
全解約の2割くらいあるような気がします。
「更新料」の支払いを含め、更新に対する入居者の負担は
我々が想像する以上に大きいと思います。
そういう意味からも、「更新料」の徴求は
見直すべき時期に来ているのかもしれません。
株式会社イー・エム・ピー
代表取締役 中村嘉宏:談
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