横浜赤レンガ倉庫の舞台裏 - 対人力・コミュニケーションスキル - 専門家プロファイル

宮本 ゆかり
マイウェイネットワーク 
ビジネススキル講師

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閲覧数順 2024年04月18日更新

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横浜赤レンガ倉庫の舞台裏

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夢を実現する力 うまくいく人の本質を学ぶ
横浜のみなとみらい地区に、「横浜赤レンガ倉庫」という商業施設があることをご存知でしょうか? 
1908年(明治末期)、当時のレンガ建築技術の頂点を極めた歴史的建造物が、倉庫という最初の使命を終え、「芸術の発信と創造」「賑わいの創出」という新しい役割を担う施設として生まれ変わった所です。

この施設を企画運営する(株)横浜赤レンガの村澤社長を訪問したことがあります。

村澤社長とは、横浜市経済活性化懇談会にて策定委員として同席したのがご縁で、何度か議会の場で顔を合わせるうちに親しくなったのです。

彼は、同委員会での私の過激な発言(?)に理解を示してくださる数少ない同志。
委員会終了後に、「今度、是非、赤レンガ倉庫に遊びにきてください」というありがたいお言葉をいただきました。
それを真に受け、「そのお言葉が本気なら、日時を指定していただけませんか?」と返信したところ、さっそくご招待いただけることになったというわけです

実はこの会社は、親会社がキリンビール。
元同社の社員だった村澤さんが、ある日突然、会社から「横浜赤レンガプロジェクト」への出向命令を受け、横浜赤レンガ社の社長として就任したわけです。

当時は、経営のノウハウも知らない(ただビールを売っていただけの)ド素人でした。
それが同じくド素人の若手部下6人を引き連れて、ゼロから創り上げていったのです。(実は、ここにサッポロビールの社員も1名含まれている。競合の壁を超えた合作なのです)

村澤社長には、横浜と赤レンガ倉庫の歴史・伝統・文化に対する、強烈な思い入れとこだわりがありました。

ですから、当初、コンセプトを練り上げ企画書を作成するにあたっても、普通は大手企業へ丸投げするところですが、基本的には自分達が主導ですべてを実行していったそうです。

テナント募集にあたっては、一社一社と入念に面接し、自分達の理念にふさわしい企業を選別して、どんなに大金を積まれても、コンセプトに合わない企業はお断り。

また、レンガの追加補修作業の発注に際しては、日本製のレンガでは、大量生産で規格が統一されているため当時のレンガの風合いが出ないので、わざわざ中国の農村部から手焼きのレンガ(色も形もバラバラ)を輸入したそうです。

このように、一つ一つの仕事に思いを込めて本物志向で取り組んでいったのです。

しかも、村澤社長曰く「6人という少人数の素人集団だったことが良かったのです。今までの組織にいたときには、考えられないような力が発揮されました。自分の能力の限界を超えるぐらいの仕事を与えられるのがちょうどいいのです。初めてでわからないことばかりですから、社員達は自分の頭で考え、足で探し、大きく成長しました」と。
 
そんな解説を交えながら館内を案内してくださる村澤社長の目は、少年のように輝き、自信と誇りに満ちていました。