景気動向は金利指標から読み解く。 - 資産運用・管理 - 専門家プロファイル

釜口 博
BYSプランニング ファイナンシャルプランナー
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対象:お金と資産の運用

柴垣 和哉
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2024年04月19日更新

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景気動向は金利指標から読み解く。

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知らないと損するかも…のお話し
ファイナンシャル・プランナーが天職! BYSプランニングの釜口です。

今回は景気動向を金利指標から読み解くというテーマでコラムを書かせていただきます。

景気動向を知ることは、資産運用のパフォーマンスに直接関係してきます。
  
昨年の世界同時金融危機では、景気動向が読むことができずに、株式や投信を塩漬け、あるいは狼狽売りをされた方も少なからずいらっしゃったと思います(私も塩漬けETFがあります)。
資産運用の難しさを改めて実感された方が多いのではないでしょうか?

景気動向が読めれば、金融危機が目前に迫る時点で、リスク性資産を売却、一時的にリスクが低い資産へ逃避させることもできたわけです。
しかし、そんなことができたのは本当のごく一部の投資家だけでした。

それができるかどうかは、いかに景気動向が読めるかが最大のポイント。

景気動向を読み解くための大事な指標になるのがアメリカ金利動向です。

2006年秋、アメリカで短期金利(TB3ヶ月)が10年物国債金利を上回る「長短金利逆転現象」が起きました。
この現象は金利上昇と景気拡大がピークに達したことを意味し、その後半年経過してサブプライムローン問題が顕在化。
  
前回この「長短金利逆転現象」が起きたのは、2000年のITバブル崩壊の前。
当時は消費にも活気がありましたが、金利はその先のバブル崩壊を明示していたわけです。

「アメリカが風邪をひけば日本も風邪をひく」と揶揄されるわけですが、現在のアメリカと日本の関係、グローバル経済から考えれば、この言葉は全くその通りだと思います。

ITバブル崩壊もサブプライムローン問題後の金融危機でも、アメリカの景気が悪くなれば、日本経済も影響を受け、景気悪化の深刻度は日本の方が上という状況です。

上記の点も踏まえて、今後の日本株投資ということを考えれば、長期保有(長期投資とは違います)は有効ではないと考えます。

ここ10年間の国内総生産(GDP)は500兆円前後でほとんど伸びておらず、日経平均は良い時で2万円、悪い時は1万円を割るというボックス相場が続いています。
今後を考えても、総人口が減少して高齢化が急速にすすむ日本経済が右肩上がりで伸びていくとは考えがたいのです。

そうであれば、株価が底に近いという判断の時に株式を少しずつ買っていき、景気が良くなり株価が上がれば売却して利益を手にする。
景気が悪くなる過程では、日本株式は保有せずリスクが低い資産などに逃避させる(外貨建て債券や投信に逃避させるという考え方もあり)。

そのようなイメージのポートフォリオ戦略が必要ではないかと考えます。
  
株価の上げ下げはプロでも予想が外れるくらいですが、景気動向であれば、ある程度勉強していければシビアに展望することも可能です。
そして景気動向を見るための最も重要な指標が「金利」なのです。

このように景気動向に応じて適切に対応することによって、相場が大きく下げる時にもダメージを最小限にして安定運用も可能になります。