- 宮本 ゆかり
- マイウェイネットワーク
- ビジネススキル講師
対象:ビジネススキル
書名のインプレサリオとは、ラテン語から派生した言葉で、もともとはオペラのブロデューサーのことを言います。
オペラのテーマを設定し、役者やスタッフをキャスティングする、舞台美術や音楽も選ぶ、演目の宣伝プランを考え、広報について指示を出し、最終的にオペラを成功に導いていく・・・。
そういった役割を担う人をプレサリオと呼んでいましたが、いまでは転じて、非常に力のあるプロデューサーを指しています。
そのプロデューサー的な役割の達人こそが、著者であるシー・ユー・チェンその人なのです。
ミュージシャンの松任谷由実に「ユーミン」というネーミングをしたり、ユニクロ、GAP、ナイキなどの有名企業の大規模なブランドの成長を多数手掛けた実績があります。
映画作りを空間作りに置き換えた空間プロデュースという言葉を作ったのも彼です。
コンセプトとシナリオを生み出し、コストを見積もる。
次にキャスティング。建築家、インテリア・デザイナー、壁画や彫刻などのアーティスト、料理人などを決定します。
メニューや名刺など印刷物の制作、そして、オープニングセレモニーの企画実施まで、すべてが彼の仕事に含まれます。
以下、彼の印象的な言葉よりご紹介します。
「初期のユニクロとの仕事では、新たな企業イメージを求め、一気にGAPのようにバージョンアップするのが僕らの目的でした。
まず最初に取りかかった仕事は、ミッション・ステートメントの作成です。
これは、政党のマニフェストにあたるもので、ユニクロをどんな会社にしたいのか、目的を明確にすることでした。
僕らが柳井社長に誠心誠意伝えたのは、ユニクロは日本人が理想だと思うような、新しい日本を象徴するような会社にしなければならないというメッセージだったのです。
ブランドの構築を成功させるためには、洞察力をもって、考え抜かれた明確な切り口をはっきり提示することができるかどうかにすべてかかっています。
また、質的レベルの高い人材ネットワークが必要です。
心がけていることが三つあります。
まず一つ目は、常に自分より能力が上の人たちと仕事をすることと、常に優秀な人材を探し続けること。
二つ目は、イエスマンではなく、自分と違った視点で、物ごとが見られるスタッフと仕事をすること。
三つ目は、何ごとも誠実な態度でポジティブに向かうこと。
子どもの頃、親から教わった言葉です。
『何ごとにも興味をもって商人の心で物ごとを見なさい。最終的に人間にとって大切なのは、信用と家族だよ』」
う〜っっっ、かっこいい〜!!
やはり成功する人は明確な哲学をもってます。
まず自分自身が感性を磨いて、自分のフィールドでプロデューサーになるべきですね。