- 森岡 篤
- 有限会社パルティータ 代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
欧米並み水準に、延ばすべきです。
「長寿命化の目的」とは何でしょうか。
住宅建設時には、大量の新材料(資源)を消費し、多くのエネルギーを使い、環境に負荷を与えます。
解体時には、それらが産業廃棄物として、ゴミとなります。
長寿命化することにより、環境負荷を減らし、資源の回復能力以上に消費することなく、化石燃料エネルギー消費やゴミ発生を減らすことが目的と言えます。
逆説的ですが、この目的を満足するならば、期限限定、あるいは仮設的な家(つまり短寿命)もあり得ると考えています。
短寿命の場合は、建設回数が多いので、リサイクル、リユースできるような、より細かな配慮が必要となります。
長寿命の家の目標寿命は、最低50年とします。
50年というのは、資源の回復(杉などの樹木成長)に最低必要な年数です。
「建て替える」という概念なく、ずっと住み続けることがさらなる目標です。
長寿命の家は、ずっと不変(建設時のまま)ではありません。
家の「核」(殻)となるメインの部分と、サブ部分で構成されます。
メイン部分はずっと変わらないのですが、サブ部分は生活の必要に応じ、変更、交換していきます。
これについては、これから詳しくお話しします。
もう一つの「長寿命化の目的」は、住み手が家に対し負担する「家のコスト」を減らすことです。
これについて、次回考えていきたいと思います。