- 前田 紳詞
- 代表取締役
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
危険な「最悪期からの脱出理論」
最近、世界中で、景気が最悪期を脱して景気対策をそろそろやめて財政赤字削減に取り組む話が出てきています。
全世界では景気上昇期待から株価がどんどん上がっています。
日本では中国株式投資信託がよく売れて、売りきれなんて話も出てきています。
今年初めに中国の復活を指摘してそのとおりになってきました。
注意が必要なのは、中国を含めた全世界の景気復活は全て各国の景気対策予算のおかげだということです。
景気対策の光と影
日本は15兆円の補正予算が動き出したところです。
今、しばらくは補正予算効果が出てくることでしょう。
しかし景気対策はお金が尽きれば終わります。終われば景気は悪化します。
平成バブル崩壊の後、日本政府は何度か景気対策を実施しました。
おかげで株価も上がり、
ミニバブルが起きました。
上がると、
「もうそろそろ大丈夫」
と思い、消費税引き上げ(3%→5%)やゼロ金利解除を実施しました。
そのたびに株価は暴落、景気は復活できませんでした。この繰り返しを続けて
日本は最悪の「失われた15年」を経験しました。
「偽りの夜明け」に注意
今、世界が「日本の間違い」をしようとしています。
日銀の白川総裁曰く
「偽りの夜明け」
です。
すでに中国の景気対策にわずかに息切れが出てきています。
急きょ追加経済対策を最近発表しました。
決して世界経済は良くなっておらず、悪い状況が一定になっているだけ、
ということが数多くのデータを見ても明らかです。
日本経済の現場で働くいろんな方々にインタビューしていますが、どこもよくはなっていません。
景気復活のカギとなる指標
サブプライムローン等を含む資産担保証券の価格指数
ABX指数
は5月25日を境にして再び過去最水準に向けて急激に下がってきています。
私たちは世界の世論を信じることなく、
警戒しなければいけません。