- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
そして、関東以西の温暖地ではこうした北海道における失敗の歴史を正しく認識している設計者も少なく、「家は高断熱である方がいいが、気密は中程度の方がいい」などと真面目に本に書いている人もいれば、「高気密・高断熱」住宅を希望する施主に対してただ単に断熱材を厚くすればいいと思って「気密」に配慮することもなく最悪の「中気密・高断熱」住宅を作っている工務店や設計者も多いのです。壁内結露は、北海道においては冬場の暖房時に起こりましたが、本州の温暖地では夏場の冷房時にも起きる現象なので、これは最悪です。
このように、現在でもなお「高気密・高断熱」が人と家の健康を守るために必要な最低限の仕様であることに気付きもせず、ただ断熱材を詰め込んで壁内結露を助長させ、カビや腐敗菌の培養器のような家を造りながら、「自然素材を使った健康住宅」と銘打って表面的な魅力のみをアピールしながら、表から見えない最も重要な部分をなおざりにした最悪の住宅が日々量産されているのです。
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次回の船橋建築塾は6月20日(土)です。
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