実は、データの数を増やせば増やすほど、通行量と売上げは相関係数が低くなるのが一般的な傾向です。
そして、多くの場合、それは「0.1」〜「0.2」ほどにも小さくなります。
これでは、さらに「相関がある」というイメージとは程遠いものになることを意味しています。
正しいデータが100もあれば、ほとんどのチェーン店でこうした値に収束してしまいます。
もちろん、先に書いたように、データが10程度なら、「0.7」や「0.8」はあり得ないことではありません。
そして問題なことは、店舗数がまだ少ないチェーン店などでは、こうした結果になると、それにとらわれてしまいがちになることです。
それは、たまたまそういう相関係数が出たということであって、これから多くの店舗を開設していくときも必ずそのようになると思ってはいけないのです。
因果関係はどうでしょうか。
十分にデータが多あり、相関係数が「0.4」であるような場合は、「通行量が多いと売上げは高くなる」という因果関係があると考えて良いでしょうか?
そう考えて良いと筆者は思っております。
しかし、それだけで売上げがきまるわけではない、むしろそれ以外の要因のほうが圧倒的に大切なことであると考えるべきだと思っています。
相関係数が「0.4」以上の要因は実際にたくさん見つかっているからです。
繰り返しになりますが、「通行量になにがしかの係数を掛けて、売上げを算出する」などという乱暴な売上予測は絶対に誤りです。
こういう売上予測は、「数値として確かに答えは出るが、まったくあてにならない」売上予測です。
こうした乱暴な売上予測が、未だにまかり通っていることを筆者はたいへん憂慮しています。
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