皮膚の中にあるポリモーダル受容器という感覚器がお灸の熱で刺激されて、軸作反射という生理反応を誘発して、お灸した部分の血管を広げて血行を改善し、こりや痛みを軽減する、という仕組みがあることは以前より科学的にも分かっていました。
それでは、熱ければ何でも良いのではないかと思われるかも知れませんが、実はそうでもないのです。
近年、お灸をした時に発生するカフェタンニンという物質が強い抗酸化作用をもち火傷の治りを早くしたり、皮膚に浸透してヘルパーT細胞という免疫機能に深く関わるリンパ球の活動を活性化したり、免疫細胞間の相互作用を調整しているサイトカインという体内物質を増やしたりすることが全日本鍼灸学会で報告されました。
このことは、お灸は熱刺激による局所の血行改善だけでなく、そのとき発生する物質がからだ全体の免疫機能を高めて病気に負けなくするという仕組みが、科学的にも明らかにされつつあることを示しています。
さて、血行を良くしてこりや痛みを和らげ、さらに免疫機能まで高めるというお灸はモグサを燃やして行います。次回はこのモグサについてお話します。
鍼灸マッサージ治療室 銀座ルーチェ
院長 山田善章
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