現代の栄養学では3大栄養素といって、糖質・脂質・タンパク質という主要な栄養素をバランスよく摂取することを奨励しています。そして糖尿病などの代謝異常症に対しては「カロリー制限」という総量規制によって、代謝状態の改善を図ろうとします。しかしそこには栄養素の「由来」といった発想は存在しません。つまり同じタンパク質でみると、動物由来(肉など)も植物由来(大豆など)も、一緒くたにされてしまっています。
さらに決定的な問題は、栄養素のもつ「生命力」が考慮に入れられていません。同じ野菜であっても、生野菜と加熱した野菜では、糖質やタンパク質の含有量は同じかもしれませんが、ビタミンやミネラル、酵素、ファイトケミカル(次回以降、詳しく解説します)の含有量には大きな差が生じます。つまり加熱することにより、ビタミンは半減、ミネラルも数割減、酵素やファイトケミカルはほぼ壊滅状態になってしまいます。
ということは野菜を食べるにしても、生野菜を必ずメニューに入れなければならない、ということになります。もちろん野菜の中には、ブロッコリーやアスパラガスのように、加熱しなければ美味しく食べられないものもありますので、生野菜と温野菜をうまく組み合わせる・・といった工夫が大切です。野菜に関していうと、「ジュース」もお勧めです。つまり出来合いの市販のジュースではなく、ジューサー・ミキサーで手作りの新鮮なジュースを作るのです。
さらに果物は極めて重要なアイテムです。人間を含む霊長類は果物を「主食」の一つにして生き延びてきました。例えばオランウータンは食物の50%を果物から摂っていると報告されています。人間とオランウータンは遺伝子が99%共通だそうで、体質は驚くほど似ているといいます。たた果物に関しては、大きな誤解が世の中を風靡しています。つまり「果物は太る」というものです。実はこの見方は半分間違っており、半分当たっています・・(続く)
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このコラムの執筆専門家
- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
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