- 森岡 篤
- 有限会社パルティータ 代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
住宅の寿命が短いというのは、建て主の資産にとって、とてももったいないことです。
住宅の建設には、多くの材料を使い、多くのエネルギーを消費するわけですから、環境にとっても良いことではありません。
寿命が短い理由は、他にもあるのですが、大きな理由はこれらと考えられます。
古いものへの価値観
土地への価値観
ライフスタイルの変化
どの理由も根の深いもので、簡単に解決しそうもありません。
価値観を変えるのは、長い年月がかかるものですが、さらに改善が難しいのは、ライフスタイルの問題です。
欧米のように、子世帯が親と同居せず、二世帯住宅をつくらないようにすれば問題は解決できますが、そう簡単にはいきません。
それは、国の基本方針:社会保障、福祉政策に関わることです。
ヨーロッパは間接税がとても高く、その代わり老人の面倒を国が死ぬまでみています。日本は間接税を低く抑えているため、国が面倒みてくれることはなく、親を子供が世話をするか、有料老人ホームの費用を自分で負担することになります。
相続税(小規模宅地特例)でも同居した子を優遇し、親の世話をしない子と差をつけています。
日本人の高齢者は金持ちだと言われます。あくまで一般論ですが、高齢の一人暮らし、夫婦のみの方の生活が、優雅で豊かな生活には見えません。
今後少子高齢化は進み、改善する要素は見あたりません。
少なくとも当分は、「日本人のライフスタイルの変化は大きい」という前提で、模索するしかないようです。
次回から、次のステップに入りたいと思います。