第3内科に入局後1〜3年おきに転勤をし、山形県内の計8ヶ所の病院に勤務しました。大学病院以外に勤めたのは、国立病院、県立病院、市立病院、それに民間の病院と母体はいろいろです。始めのうちは「研修医」でしたが、3年目から普通の「内科医」になり、10年目くらいからは、大学では「助手」、一般病院では「医長」という役職につきました。この昇進は、一般に年功序列で決まります。
医師には大概、「専門分野」があります。つまり内科医の場合には胃だったり肝臓だったり、肺だったりします。私の場合は「血液」でした。具体的には、貧血、白血病、リンパ腫、出血性疾患などの疾患を対象としています。所属していた第3内科が扱う分野は血液・代謝(糖尿病など)・神経などでしたが、就職後5年目くらいに、当時の主任教授に強く勧められたこともあり、「血液内科」に進みました。
血液疾患の診療は、今から振り返ると‘壮絶‘そのものでした。入院患者の大半は「白血病」で、抗がん剤を主体とする治療を行ないます。悪性リンパ腫の患者も多く、抗がん剤と並んで放射線治療も行ないます。固形がん(胃がんや肺がんなど)とは違って手術は一般に行いません。白血病は「血液のがん」とも称され、手術では取りようがないのです。
抗がん剤は副作用が極めて強く、そのために命を落とす患者も多数おります。強い吐き気に始まり、食欲不振、脱毛、粘膜障害とどれも大変なものです。脱毛に関していうと、女性も含めて大半の方がほぼ全面的に抜け落ちてしまいます。そのために男性の中には、予め「丸坊主」にしてしまう人もおります。ひどい口内炎のために、食事もウガイも会話さえも困難になることもあります・・(続く)
| コラム一覧 |
このコラムの執筆専門家
- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
あなたの自然治癒力を引き出し心身の健康づくりをサポートします
病気を治したり予防するにあたり、いちばん大切なのは、ご本人の自然治癒力です。メンタルヘルスを軸に、食生活の改善、体温の維持・細胞活性化などのアプローチを複合的に組み合わせて自然治癒力を向上させ、心と身体の両方の健康状態を回復へと導きます。
03-3277-3737