日経記事;『米ホンダHVにトヨタ自動車電池 関税備え現地調達へ転換来年度、日本勢が連携』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『米ホンダHVにトヨタ自動車電池 関税備え現地調達へ転換来年度、日本勢が連携』に関する考察

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経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

 

2025年3月18日付の日経新聞に、「米ホンダHVにトヨタ自動車電池 関税備え現地調達へ転換来年度、日本勢が連携」のタイトルで記事が掲載されました。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

「ホンダはトヨタ自動車自動車から米国でハイブリッド車(HV)向けの電池を調達する。2025年度からHV販売の全量をまかなえる40万台規模の米国製電池を確保する。ホンダはHV電池を日本や中国から米国へ輸出しており、米トランプ政権の関税リスクが経営を揺るがす。日本の自動車メーカーが連携し、新たなサプライチェーン(供給網)を構築する。。」

 

本日は、この記事について考えを述べます。

トヨタ自動車自動車とホンダは、日本を代表する大手自動車メーカーです。両社は、国内外で激しく競争しており、ライバル企業となっています。

このライバル企業が、今回、重要市場である米国で、HVに使用される電池の供給に関する事業連携(アライアンス)を行うことになったようです。

一義的には、両社を含む国内自動車メーカーは、米とランプ政権の関税施策に対抗するため、米国での生産増強や部品のサプライチェーン見直しを急ピッチで行っています。

 

トヨタ自動車は、HVやEVの最重要部品の一つである電池を米国内で生産する準備を進めてきました。ホンダは、現時点では電池の製造を米国内で行っていません。そこで、ホンダは、トヨタ自動車から電池の供給を受けることになりました。

この電池供給に関する両社の事業連携(アライアンス)は、しょうしょうの驚きをもって受け止めました。

 

ホンダは、今まで自動車業界では、強みを自ら生み出す、垂直統合方式で勝ち残ってきました。自動車業界は、100年に1度の大変革時期にあり、トヨタ自動車でさえ、1社単独で勝ち残るのは難しいと言われています。

ホンダは、幾つかの記事情報から、同様に1社単独で生き残ることの難しさを認識しており、最近では、日産自動車との経営統合を模索しました。ホンダは、日産自動車との経営統合は断念しました。

その後、トヨタ自動車との事業連携(アライアンス)を行い始めています。

本ブログ・コラムでは、トヨタ自動車自動車とホンダの事業連携(アライアンス)について、今まで私が行ってきました、ベンチャーや中小企業同士の事業連携(アライアンス)支援の経験に基づいて、一般的見地から考えを述べます。

 

1.事業連携(アライアンス)の概要

・ ホンダは、2025年度からHV販売の全量をまかなえる40万台規模の米国製電池をトヨタ自動車自動車から調達する。

・ これにより、ホンダはHV電池の米国現地調達を実現し、関税リスクを回避する。

・ トヨタ自動車自動車は、自社の電池生産能力を有効活用し、新たな収益源を確保する。

 

2.事業連携(アライアンス)による双方のメリット

(1)トヨタ自動車自動車のメリット

・ 電池生産能力の有効活用と収益源の多様化

・ ホンダとの連携による、電池技術の相互発展

・ 電動車戦略における、サプライチェーンの強化

(2)ホンダのメリット

・ 米国でのHV電池の安定調達と関税リスクの回避

・ トヨタ自動車自動車の高品質な電池の活用による、HVの競争力強化

・ 電動車戦略における、サプライチェーンの強化

 

3.事業連携(アライアンス)による双方のデメリット

(1)トヨタ自動車自動車のデメリット

・ ホンダへの電池供給による、競争上の優位性低下の可能性

・ 電池生産能力の逼迫による、自社製品への影響

・ ホンダへの技術提供による、技術流出のリスク

(2)ホンダのデメリット

・ トヨタ自動車自動車への依存度増加による、調達の柔軟性低下

・ 電池の仕様や価格に関する、トヨタ自動車自動車との交渉力低下

・ トヨタ自動車自動車の電池技術に合わせた、HV開発の制約

 

4.課題とリスク

・ 両社の企業文化や意思決定プロセスの違いによる、連携の遅延や休止

・ 電池の仕様や価格に関する、両社の意見対立

・ 市場の変化や技術革新による、連携の陳腐化

・ 米中貿易摩擦など地政学的なリスク

 

5.課題とリスクを解決する方法

・ 両社の担当者間の緊密なコミュニケーションと信頼関係の構築

・ 電池の仕様や価格に関する、長期的な契約と定期的な見直し

・ 両社の技術交流や共同研究開発による、連携の深化

・ 地政学リスクに対しては、サプライチェーンの多角化やリスク分散

 

6.今後の見込

トヨタ自動車自動車とホンダの事業連携(アライアンス)は、両社の電動車戦略において重要な意味を持ちます。両社は、互いの強みを活かし、知恵を絞って課題とリスクを克服することで、持続可能な成長を実現することが期待されます。

 

もしトヨタ自動車とホンダが、今回の事業連携(アライアンス)を上手く行って、お互いの「Win/Win」の状況を確認できれば、さらに他の事業分野での事業連携(アライアンス)を行う可能性があります。

具体的には、次世代環境対応車や自動運転機能の開発・実用化になります。トヨタ自動車とホンダは、自動運転機能付EVの開発・実用化では、米国や中国のメーカーに後れを取っています。

両社がこれらの分野で、さらなる事業連携(アライアンス)を行うことになれば、双方に大きなメリットが生まれます。トヨタ自動車とホンダは、電動化、コネクテッド、自動運転といった次世代技術の開発において、多額の投資と技術革新が求められています。両社がそれぞれの強みを持ち寄り、連携することで、開発効率の向上やコスト削減、競争力強化が期待できることによります。

 

両社の実情を知らないので、一般的視点からこの分野での事業連携(アライアンス)を行うメリットは、以下のようになると想定します。

★事業連携(アライアンス)の可能性

●燃料電池車(FCV)の共同開発

・トヨタ自動車はFCV技術で先行しており、ホンダもFCV「CLARITY FUEL CELL」を販売しています。両社がFCVのプラットフォームや部品を共通化することで、開発コストを削減し、FCVの普及を加速できる可能性があります。

・電気自動車(EV)の共同開発

・両社がEVのプラットフォームや電池、モーターなどの基幹部品を共通化することで、開発コストを削減し、多様なEVモデルを効率的に開発できる可能性があります。

●自動運転技術の共同開発

・両社が自動運転のセンサーやソフトウェア、地図情報などを共有することで、開発コストを削減し、より安全で高度な自動運転技術を開発できる可能性があります。

●水素インフラの共同構築

・両社が水素ステーションの共同設置や水素供給に関する規格の共通化などを進めることで、水素インフラの整備を加速し、FCVの普及を促進できる可能性があります。

●ソフトウェア開発の協業

・コネクテッド技術、車載OSの開発など、ソフトウェア開発での協業。

 

★事業連携(アライアンス)による双方のメリット

●開発コストの削減

・プラットフォームや部品の共通化により、開発コストを大幅に削減できます。

●開発期間の短縮

・両社の技術やノウハウを共有することで、開発期間を短縮できます。

●技術力の向上

・互いの強みを持ち寄り、技術交流を行うことで、技術力を向上させることができます。

●競争力の強化

・次世代環境対応車の開発競争において、優位性を確立できます。

●インフラ整備の加速

・水素ステーションなどのインフラ整備を協業することで、次世代環境対応車の普及を促進できます。など

 

上記のポイントは、私の妄想になる可能性があります。もし、トヨタ自動車とホンダが上記分野での事業連携(アライアンス)を行うことになった場合、考察したいと考えています。

 

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A山本雅暁

 

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