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石橋 大右
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閲覧数順 2026年01月18日更新

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昆布が地球温暖化を食い止める日がやってくる?

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日本は世界有数の海藻大国です。そもそも海藻を食べる食文化がある国が少ないのですが、その中でもおそらく日本は世界一海藻を食べている国といっても良いでしょう。

日本は四方を海に囲まれた島国ですし、天然の良港や恵まれた漁場もあるため、日本人は大昔から海の恵に育まれてきました。無形世界遺産にも登録されている和食の「旨味」についても、ほとんどが海由来です。カツオだしや昆布だし、その他にもサバ節など、今も私たち日本人は海の恵みで日々の豊かな食を楽しんでいます。

今回は、そんな海藻がまたもや私たちを助けてくれる日がやってきそうな話題です。「ふえるわかめちゃん」という乾燥ワカメでおなじみの理研食品が、岩手県の三陸沖で面白い実証実験をしています。この実験を端的に表現すると、「昆布の養殖をしつつ二酸化炭素を吸収させる」というものです。

これは私もあまり知らなかったのですが、海藻は光合成の働きが強く、生育の過程で二酸化炭素を多く吸収するそうです。しかも地球の表面の7割は海なのですから、海藻が生育できる場所は陸地より多くあります。海藻を養殖するというと食べるため、だしにするためというのが一般的ですが、海藻の養殖には二酸化炭素を吸収する効果も期待されているのです。

このように、海藻をはじめとする海の生き物が二酸化炭素を吸収し、そのまま海底や深海に蓄積することを「ブルーカーボン」といいます。自然の働きで大いなる海が二酸化炭素を吸収することにより、脱炭素を推進することができるわけです。

元から海藻にはブルーカーボンにつながる働きがあることは分かっていて、今回紹介している理研食品のプロジェクトだけでなく、北海道の利尻島などでも同様の取り組みがあります。

北海道の利尻島は昆布の生産地として知られており、今も昆布養殖が盛んにおこなわれています。北海道のみながらず、「利尻昆布」は日本全国の各地で買い求めることができます。しかも利尻昆布は質が良いことで知られているので、いわゆるブランド水産物です。この利尻昆布を養殖するのにあたってどれだけのブルーカーボンの効果があるかを研究した論文もあります。それによると高い二酸化炭素の吸収力があることが分かっており、今後は利尻昆布の生産だけでなく二酸化炭素を吸収する力を産業として育成していく必要があるとも結論付けています。

三陸沖で行われている昆布のブルーカーボン実証実験は、こうした流れの延長線上にあるものです。このプロジェクトの面白いところは、昆布の生産よりも二酸化炭素の吸収をメインに置いている部分です。また、三陸は東日本大震災の被災地でもあるため、昆布養殖による産業の育成は地元経済の発展にも寄与するとしています。良質な昆布の生産ができて、二酸化炭素の吸収ができて、しかも被災地の支援になるという、実に一石三鳥です。

理研食品はこのプロジェクトを広く知ってもらうために、現地の視察会なども開催しています。高い関心が寄せられているようで、特に環境ビジネスに関係する人が多く参加し、ブルーカーボンの最前線を見学したそうです。

私たち日本人とは深い縁がある昆布がこうした形で地球環境保全に貢献し、さらにこのプロジェクトに多くの人が関心を寄せていることに、私自身もワクワクするものを感じます。

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