- 石橋 大右
- 株式会社和上ホールディングス 代表取締役
- 大阪府
- 住宅設備コーディネーター
対象:住宅設備
- 松林 宏治
- (住宅設備コーディネーター)
- 松本 秀守
- (住宅設備コーディネーター)
2024年は、投資詐欺の当たり年ではないかと思うほど、投資詐欺の事件が世間を騒がせています。著名人をかたり、投資に勧誘してお金を持ち逃げしたり、無価値なものを買わせたりと、枚挙に暇がありません。
私が事業展開している太陽光発電の世界でも、近年投資詐欺の事例を見聞きすることが多くなりました。
以前は施工の品質が悪い、顧客対応が悪い施工店が問題になることがありましたが、こういった事例は百歩譲ると最初から悪意があったわけではない業者も含まれています。単に技術や知識が未熟だっただけ・・・それも十分悪質ではありますが、近年取り沙汰されている投資詐欺とは全く異質なものです。
太陽光発電に関連する投資詐欺でよく見られるのは、架空の投資案件にお金を出させてお金を持ち逃げする手口です。ソーシャルレンディングなどでも太陽光発電案件への出資をする投資が流行ったことがあるので、そういった流行を悪用したものと思われます。
大まかな手口は、こうです。
太陽光発電所を設置し、そこに出資をすれば売電収入や売却益を投資家に分配する。その利回りは10%や20%といった高利回り。電力需要がなくなることはないので絶対に損はしない投資・・・という説明をして、出資を募ります。そして、いかにも安全に高利回りが得られるように見える太陽光発電の投資案件に出資をするものの、その後業者とは連絡がつかなくなる・・・というお決まりのパターンです。
中にはさらに悪質なパターンで、最初のうちは高い利回りになる配当を出して信用させ、さらに大きな案件に投資をさせてからドロンという手口もあります。こうした手口はポンジスキームと呼ばれる古典的なものですが、「太陽光発電」「暗号資産」といった最近の流行りのキーワードを巧みに使って投資家を騙します。
いえ、投資家というより「投資をしたいと思い始めた人」というほうが適切かもしれません。本物の投資家はもっと投資に対して慎重で情報収集能力にも長けているので、古典的かつ稚拙な手口には引っ掛かりにくいと思います。
こうした投資詐欺の撲滅には、「怪しい案件にお金を出さないこと」、これに尽きます。詐欺師をいくら逮捕しても詐欺値は雨後のタケノコのように出てくるので、根絶は不可能です。実際、私が普段使っているSNSなどでも明らかに投資詐欺と思われるような怪しげな広告が日常的に流れてきます。
特に近年では詐欺の手口が国際化しているため、海外から日本人を狙ってSNSを使った詐欺を働く輩も少なくありません。冒頭で述べた著名人をかたる投資詐欺も、おそらく99%以上は海外発でしょう。
有名人をかたると騙せる、太陽光発電をテーマにすると騙せる、といったように、詐欺師たちにとって成功体験のあるテーマになってしまっていることは残念な限りですが、これをお読みの皆さんもくれぐれも怪しげな投資詐欺に引っ掛からないようにご注意ください。
不自然に利回りが高い、運営者の実体がよく分からないような案件には、くれぐれもお金を出さないようにしましょう。
このコラムの執筆専門家
- 石橋 大右
- (大阪府 / 住宅設備コーディネーター)
- 株式会社和上ホールディングス 代表取締役
太陽光発電とオール電化を追及するプロフェッショナル
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