- 前田 紳詞
- 代表取締役
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
20年前と2年前の上海を知っていますが、街の空気は"炭を燃やしたにおい"かや"排気ガスのにおい"が街を覆っていました。
今回はにおいを全く感じません。
インフラの拡大
2年前には建設中だった101階建ての上海ヒルズは街のいたるところから見ることができます。(写真1)
上海は世界一数多くの高層ビルが建つ都市になりました。
地下鉄の混雑も解消され、人々には少し温和な感じが漂っています。8本から10本の地下鉄が走っていますが、まだこれからも建設していくため、いたるところで工事が進められています。
だから景気の悪さもあまり感じません。
現地の人に聞いても不況を感じていませんでした。
中国について日本で話をするとほとんどの人が、10年前や数年前のイメージで話します。
多くの人が中国を馬鹿にし、モラルのなさを指摘します。
2年ぶりに来ただけで多くのことが変化・向上しています。
上海万博で更に加速
2010年には上海万博が開かれます。(3月27日からチケット販売スタート)
これに向けて変化の速度はさらに加速してきています。
この変化を感じ取って中国に進出している日本企業は成功を収めつつあります。
現地では吉野家やサイゼリヤ、ファミリーマートなどのサービス業に資生堂やファンケルなどもがんばっています。
ミスタードーナツは最初の進出でマーケティングに失敗(30代から40代の中堅層をターゲット)しましたが、市場分析して20代女性をターゲットにしたマーケティング展開で60店舗を上海に作ることを計画しています。
中国の個人消費を引っ張っているのが20代の独身女性です。
上海でもっとも成功している日本食は写真2の"味千ラーメン"です。日本でも知らない人が多い、熊本のラーメン屋さんが上海では誰もが知ってる日本料理店としていたるところにあります。
味千ラーメンは今度、シンガポール証券市場に上場してアジアにドンドン進出していきます。
去年から今年1月にかけて中国でも不況が起きていましたが、日本と違い、いろいろな経済対策がすでに実施されています。
地方政府が実施しているのが、日本の定額給付金ならぬ”消費券”の発行”!
これは旅行券でそこの土地に旅行するとその場で使用できるお金です。
しかも外国人ももらって使うことができます。
経済対策のスピードは日本の10倍ぐらいでしょう。(日本に戻ったら総理が給付金受ける受けないでもめていて、情けなくなりました)
おかげで2月から景気が復活してきています。
自動車販売も復活しつつあります。
世界経済の中心へ
内陸部はずっと絶好調でここが中国の景気を下支えしています。
おかげで上海株式市場は世界で一人勝ち状態です。
このスピードが加速していくと来年にはGDPで日本は抜かれ、世界第2位になることでしょう。
この現実を受け入れて市場を取りんだ日本企業が20年後生き残るかもしれません。